琴ちゃんは椎名を好きで、 椎名は琴ちゃんが好きなのなら
私は何を求めればいいんだろう。
掃除時間になったって笑えなかった。
皆が自在箒を仕掛けて誰かが引っ掛かって笑ってるのに
私は1人で掃除をしていた。
手を顔に当てて泣きたかった。 グラウンドの中心で叫びたかった。
琴音>「みぃくッ!昼休みグラウンド行かない??」
未来>「あ・・・。遠慮しとく。また今度ね。」
琴音>「どうしたの?」
未来>「グラウンド眺めてるほうが好きなのv気分のんないのーw」
嘘だった。
椎名と一緒にサッカーをするつもりだったけど鉄壁が水で沈んだように頭が重くなった。
琴音>「ふうーん?じゃーまたね。」
ごんッ
椎名>「ぼーっとすんなーw」
でも、やっぱり好きだなあ。
未来>「これでどうだッ」
がッ
たまたま長箒がスカートをほんの少しめくる形になったけど、
椎名ダケならいいや。なんて思った。
男子>「あー!椎名が未来のスカートをペラリって・・・」
椎名&未来>「うっせぇな!」
男子>「じゃー試し!今日昼休み琴音とグラウンドこいよ!未来」
未来>「ハァ?なん・・・」
男子>「いいから〜。」
男子は琴ちゃんに耳打ちをした。
琴ちゃんは一つパンと手を叩きにこやかに
琴音>「未来いこっ♪」
皆が見てる中で答えは一つしかなかった。
未来>「別にいいよ!」
いつも絵ばかり書いている私にとってグラウンドの風はとってもすがすがしい。
椎名達が汗をびっしょりかいて水で顔を洗ってるのがよくわかった。
笑っているけどとっても真剣だった。
琴ちゃんと私は近くで見ていた。
ぼーっと前の町の方向を眺めていると。
男子>「オイ!未来パース!」
うえからボールが流れてきて
未来>「ちょッ、今日うち出来な・・・」
未来は好きだけど苦手タイプ。
昔サッカーをやってて思いっきりボールがぶつかったのがトラウマ。
当たんない・・・。
大きな背中だった。
未来>「しいな?」
椎名>「だっせー。逃げれよな」
守ってくれた・・・の?
初めて自分が【女の子】になった気がした。
そんな夢気分もつかのま。
男子>「ヒュ〜!赤い糸!」
琴音>「ラブゥvV」
未来>「もっ・・・もう!琴ちゃんまで!」
その時は一番幸せだったのかもしれないね。
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