46.負けた…(了)
負けた…
先生に言われて気がついたけど、先生に好きだなんていわないって言ってたのに!
「みー、やっと素直になった」 先生はそう言って、私をふんわりと抱きしめた。
「先生、離してよ」 押し返すけど、大きな先生の力からは逃れられない。 「いやだよ。しかも、先生じゃありません。俺は速水祐という名前なんです」
先生は、先生だもん。 なんて呼んだらいいんだろう?
「速水さん、離してください」 「そんな他人行儀な」
「じゃ、祐さん、離して」 恥ずかしいのを我慢して呼んだ。 「うーん、それもいいなぁ。呼び捨てでもいいよ」 先生は、ぜんぜん離してくれない。
「たっくん、離して」甘えるように言ってみた。
「まいった」 先生は顔を赤くして、私の身体から離れて、頭を抱えている。
先生との恋は、これから始まる。
(了)
先生との恋
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。 このあと、番外編として二人の日常を書きたいと思っています。 機会がありましたら、お読みいただけると光栄です。
|
|