■ トップページ  ■ 目次  ■ 一覧 

先生との恋 作者:kei

第44回   44.やっと会えたけど
44.やっと会えたけど

兄を探しに職員室へきたけど、いないので電話をしてみると
「駐車場で待ってるから」と言われた。

校舎の裏にある駐車場まで行くと、上の兄の車の側で兄二人と、もう一人男の人の背中が見えた。
ラグビー部の知り合いかな?
そう思って近づいてみると、速水先生だった。

やばすぎる…
先生だって、ばれちゃってるんだろうか?

「みー! やっと来たか」兄が私に気づいて手を上げた。
先生も振り向いて、一瞬こっちを見たけど、冷血王子の顔をしている。
やっぱり、先生は私を好きじゃなくなったのかも…

足が止まってしまう。

「速水さん、ここで話すのはまずいでしょうから、とりあえず今は妹を連れて帰ります」
「わかりました。後ほどお宅へ伺います」

兄と先生はそう話をして私は兄の車に乗せられた。

「どういうこと?」
上の兄は運転しているので、下の兄に聞いた。
「内緒…」下の兄はふざけるようにして言う。
「ちゃんと言ってよ!」
「速水さんがうちに来てから、彼に聞きなさい」上の兄が怒ったように言った。

家へつくまでに先生からメールが届いた。

{机にあった手紙、読んだよ。あとで家に行くから、話しはその時に}

先生まで、そんなこと書いてる。久しぶりの先生からのメール。すごくうれしかった。


家についてから、下の兄に先生が私の高校の先生だというのを知っていたと聞いた。
お正月に上の兄と話したらしい。
私は卒業式の間、ビクビクしてたのにみんなは知っていただなんて。
しかも、私がいないところで家族会議?が行われ、速水先生のことを見守ろうと決まったそうだ。

「先生を見守るって?」
「速水君はさ、家族もいないわけだし、みーのことを本当に大切にしてくれそうだから」
「先生の家族がいないって、どうして知ってるの?」
「速水君のお父さん、お兄ちゃんの大学の教授だったんだよ」
ここで、下のお兄ちゃんが言う、お兄ちゃんとは上のお兄ちゃんのこと。

「そうだったんだ。どうしてみんな、私に隠してるの?」
「隠すつもりじゃないけど、速水君がみーに直接、言ったほうがいいだろ」
そりゃそうかもね。
先生だって、私からそういうこと聞かれるのいやかもしれない。


高校生のとき、先生は下の兄の1歳年下だから、高校で会ってたかもしれないけど
あんな男前、見たことないなぁなんて言ってた。

下の兄は、先生が来るまで私を一人にしないようにしてくれたみたい。
ずっと話してくれていた。

← 前の回  次の回 → ■ 目次

Novel Editor by BS CGI Rental
Novel Collections