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先生との恋 作者:kei

第35回   35.コントロールできない
35.コントロールできない

それから、先生からはメールも電話もなかった。
ほっとしたような、でも寂しかった。

次の日、3年生は卒業式まで自由登校になっていたので学校へ行くのをやめようと思った。
それなのに母から、「あと少ししか学校へ行けないんだから、せっかくだから行きなさい」と言われてしまった。

学校へ行って、先生に会うのがうれしいような、怖いような気がした。
心配したのに、先生の姿を見ることなく授業時間が終わった。


久しぶりに図書室へ行ってみよう。
母の言うように、学校へ行くのもあとわずかだから。
放課後、図書室へ行ってみると1、2年生が期末テストの勉強をしていた。

「ミジンコ先輩、お久しぶりです!」
委員会の後輩たちが和やかな雰囲気で迎えてくれた。
「ご苦労様。テスト勉強してていいよ。私が受付してあげる」
そう言って、図書室のカウンターに入った。

数ヶ月前は、こうして座ってたら毎週、先生が来てたなぁ。
懐かしい気持ちと、心がざわつくような気持ちになった。
やばい、なんだか泣きそう。
昨日から、自分の心をコントロールできない。

気を紛らわすために、返却された本を本棚へ返しに行く事にした。
本を片付けている間も、先生と2回目に会ったときのことを思い出していた。
上の棚に片付けるときは気をつけなくちゃ。
踏み台を運びながら、顔がにやけてきた。
私、ヘンになってる。
泣きたくなったり、にやけたり…
どうしたら、心が落ち着くかなぁ。
でも、このコントロールできない状態も、先生のこと考えるとうれしくなる。

先生に今度会ったとき、なんて言えばいいのかな?
それもわからない。
会いたいけれど、あったら心臓が止まってしまうんじゃないかと、バカみたいな心配してる。


それよりも、先生からずっとメールも電話もないってことは
怒ってるかも?
昨日、勝手に電話を切ったし。
どうしよう…
やっぱり、会いに行って謝ったほうがいいよね。

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Novel Editor by BS CGI Rental
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