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先生との恋 作者:kei

第22回   22.おいしい食事
22.おいしい食事

私は寝坊したので、出かける前に朝昼兼用の食事をしてきた。
だから、勉強している間におなかが空いてきた。
おなか鳴ったら、恥ずかしいなぁ。

「先生、そろそろ帰ります」
「え?まだ2時間くらいしかたってないけど」
「なんだか、集中できないから家で勉強します」
半分はホントで、半分はウソかも。
おなかが空いて集中できないんだもの。

「みー、おなか空いてきたんでしょ? なんか食べに行こうか?」
先生は、時々鋭い。
電話で話しているときも、ズバッと私の気持ちを当ててくる。
私が、ムーっとした顔をしていると

「行こう、おいしいサンドイッチとケーキを出す店があるから」
そういって、先生は立ち上がって読んでいた本を棚に返しに行った。
ここで、ぐずぐずしていると、また先生に何か言われると思って私も勉強道具を片付けた。


外に出ると、先生は車で来ていることがわかった。
シルバーのステーションワゴン。
うちにあるファミリータイプのじゃなくてスポーツタイプのワゴンで、かっこよくて先生に似合ってる。

助手席のドアを開けて、先生は私が乗るのを待ってる。
うーん、やっぱりまずいんじゃないかな??
ここでまた、悩んで固まってしまった。

「みー、気にしすぎない。誰かに会った時は、その時に対応を考えるから。
俺を信用しなさい」
先生はそう言って、私の背中を押すようにして車に乗せた。


中央図書館から20分くらい車で走ったところにお店はあった。
オープンテラスと、山小屋風のカフェでかわいらしい。
メニューもいろいろあって、じっくり悩んでクラブハウスサンドとカフェオレを注文した。
先生はコーヒーとオープンサンド。

「後で、ケーキも食べよう」
先生はメニューを見ながらうれしそうに言った。
甘いものが好きなようだ。
私が焼いたマドレーヌもチョコケーキも絶賛してくれた。

サンドイッチもカフェオレもホントにおいしかった。
そのあと二人とも紅茶を頼んで、アップルパイを食べた。

「おいしいもの食べると、幸せ感じますよね」
「みーもそう? 俺も。食事って大好きな人とすると余計おいしく感じる」
先生に見つめられてそんなこと言われると、どうしていいか、わからない気持ちになる。


そうだ、先生の誕生日をお祝いしようと思ってたことを今更ながら思い出した。
「先生、1日過ぎたけど誕生日おめでとうございます」
「ありがとう。電話でも言ったけど、ケーキ、ホントにおいしかったよ」
「どうも」


「先生、たくさんプレゼントもらってましたよね?」
「みー、やきもち焼いてくれてるの?」
「違います。でも、プレゼントをあげている人って先生のこと好きなんだろうと思うと、なんだか申し訳ない気持ちになります」
「どうして申し訳ないの? 俺がみーを選んだんだから」
「私は、その気持ちに答えられないです」


先生は、私の言葉を聞いて黙ってしまった。
やはり、ひどいこと言ってるよね。
でも、素直な気持ちを先生に言うべきだと思った。
先生のこと、嫌いではないけど恋愛のことわかっていない私が、その気持ちに答えようとするのは出来ないことだ。


「みー、俺はそう言われても、気持ちを抑えようとは思わない。みーが俺を好きになるまで待つから」
「先生を好きになるかどうか、わからないのに?」
「大丈夫、好きになるから絶対」

その自信、どこから来るの?

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Novel Editor by BS CGI Rental
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