15.悩み
結局、向井君は 「今は、扇原も受験前で忙しいだろうから、合格して進路が決まってから俺のこと考えてみてほしい」 と言ってくれた。 でも、その後 「時々は一緒に帰ったりしたい。たくさん話をしたい」 とも、言われてしまった。
速水先生、向井君、なんで私のことを好きになったんだろう。 人を好きになること、理由なんてないのかな。
速水先生が言ったように「運命」や直感で人を好きになるのかな。
向井君は、いつから私を好きだったとか、そういうことは言ってなかったけど、速水先生みたいに運命を感じたとかは言い出さないように思う。
人を好きになること 考え出すと、きりがないし、答えは出ないよ。 「ドキドキする」って言われれば、 向井君から告白されたときだって、心臓がどうにか、なりそうになったんだし。
私は、悩みが出来ると、とにかくそれを日記に箇条書きに書き出したり、 自己分析したりする。 みんなはどうやって解決するんだろうか? ふと、先生に相談してみようかと思いついた。
今まで、悩みが出来ても誰にも相談できなかった。 馬鹿にされるんじゃないかとか、その人の時間を無駄にしてしまうんじゃないかとか、それだけ信頼できる友達がいなかったとか 色んな理由があるけれど、結局は誰にも弱みを見せたくなかったのだと思う。
先生は私より7つ年上で、私のように悩んだこともあるかもしれないと思ったから。 親に相談するのは恥ずかしいけど、先生なら何でも受け止めてくれそうな気がした。 でも、先生は私を好きだと言ってくれているのに、恋愛の相談をするのは、よくないかな。 恋愛というより、人生相談かな。
私は先生に電話をすることにした。
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