1.恋の始まり
先生と初めて会ったのは靴屋さん 私は先生のことを知らなかった。 先生は私のことを前から知っていたんだって。
私はスニーカーを探していて 壁一面に飾ってある靴をボーっと見ていた。 赤いスニーカーが気に入って 取ろうとしたけど、私は背が低くて 背伸びしても届かなかった。
すると、後ろから手が伸びてきて 赤いスニーカーを取ってくれた。 振り向くと、私より30センチくらい大きな男の人。
「どうぞ」って渡してくれた。 私はカッコイイ〜とぼんやりその人を見つめてしまった。 靴を受け取るのも忘れて 「コレが取りたかったんだよね?」 その人に話しかけられて びっくりした。 「あ、そうです。ありがとうございます」 とか言ったような気がする。
その時の人が、先生だったのだ。 私は、自分の学校の先生なのに、存在を知らなかった。 先生のこと、知ったのは夏休みが終わって2学期になってからだった。
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