私は何故、この世に生まれたのか。 何故、ここにいるのか。 何故、生きているのか。
ただ分かるのは、安易に「死」を望んではいけない。 安易に「死」を言葉にしてはいけない。
それが今の私の在り方。
優しい言葉を掛けられた。 それは一筋の光だった。
何気ない言葉。さりげない言葉。 私はすべてを投げ出そうとしていた。 「死んでしまえばいいのに」 ふと浮かんだそんな言葉を呟いていた。
私は最低だ。命を軽く扱った。 衝動を抑えきれずに手を赤く染めた。
「いやだ」 いつまでも感触が残る。この手を切り取ってしまいたい。 「いやだ」 感覚の残るこの体を消してしまいたい。それですべて終わりに出来る。
私はこの世に生まれて幸せだった? 優しい言葉は凶器になる。幸せな言葉は心をえぐる。 光は希望にはならず、私の心をあらわにした。すべてをさらけ出した。 笑われている気がした。それに耐えられた?
私はこの世に生まれて幸せだった。 なぜなら、血の感触を知っている。肉の感触を知っている。なにより、 最後の…あの表情を知っている。
今の私を私の中に残したい。忘れないように消えてしまいたい。だから、 泡のように…消えてなくなってしまおう。 誰も、私を侵すことは出来ない。
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