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泡のように 作者:

最終回   1
私は何故、この世に生まれたのか。
  何故、ここにいるのか。
  何故、生きているのか。

ただ分かるのは、安易に「死」を望んではいけない。
        安易に「死」を言葉にしてはいけない。

それが今の私の在り方。


優しい言葉を掛けられた。
それは一筋の光だった。

何気ない言葉。さりげない言葉。
私はすべてを投げ出そうとしていた。
「死んでしまえばいいのに」
ふと浮かんだそんな言葉を呟いていた。

私は最低だ。命を軽く扱った。
衝動を抑えきれずに手を赤く染めた。

「いやだ」
いつまでも感触が残る。この手を切り取ってしまいたい。
「いやだ」
感覚の残るこの体を消してしまいたい。それですべて終わりに出来る。

私はこの世に生まれて幸せだった?
優しい言葉は凶器になる。幸せな言葉は心をえぐる。
光は希望にはならず、私の心をあらわにした。すべてをさらけ出した。
笑われている気がした。それに耐えられた?

私はこの世に生まれて幸せだった。
なぜなら、血の感触を知っている。肉の感触を知っている。なにより、
最後の…あの表情を知っている。

今の私を私の中に残したい。忘れないように消えてしまいたい。だから、
泡のように…消えてなくなってしまおう。
誰も、私を侵すことは出来ない。

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Novel Editor by BS CGI Rental
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