あの人はあたしよりか一回りも長く生きている
あの人は立派な大人の人
それでいて意地悪な少年なところもあって
それでいて優しいから
時々あたしはあなたに抱きしめられたいと思ってしまっている
むしろ抱きしめたいとまで思ってしまっているのだ
これは妄想の中の話で
あたしはあの人を愛しているわけではない
それでもって
あの人はあたしを愛しているわけでもないと思う
でもあたしの頭の中では
あたしはあの人を恋愛対象に見ていて
それからどんどん妄想は膨らんでいってるんだ
だからだ
だからそのせいで
あたしはあの人に会うと
ドキッとしてしまう
あの人はあたしよりも一回り長く生きている
もうおじさんな年なのに
またほら
抱きしめられたいと思ってしまっている
頭の中では
あたしを抱きしめているあの人がいる
もうおじさんなのに
どうしてこんなに頭の中にあの人が居続けているのか
その理由がわかったとしても
この妄想は終わらない
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