合コンの日にちは、九月の終わり。 私は二人の女友達を誘って、夜の八時に大学から近いバーに集合した。 誘ったうちの一人はどちらかと言うとおとなし目の印象、でも性格はイメージとは裏腹に、すごく男に対して軽い女の子。 もう一人は、お姉系で服装は大人っぽく色気のある感じ、しっかりした女の子だ。 待ち合わせ時間になっても来ない 浩太郎に、私は少しイライラしていた。 「ねーねー。未来。まだ?」 「まだみたいだね。電話しても通じないし。今こっちに向かってるかも。先にお店に入って待ってて」 二人に先に入ってもらうと、私はもう一度浩太郎に電話をした。 電話からは、浩太郎の途切れた声が聞こえてきた。 私は、夜ご飯我慢して、女の子達を連れてきたっていうのに、浩太郎は何をやっているのだろう。空腹と苛立ちで、私は怒った顔で、バーに立っていた。 そして待つ事十五分。 「ごめん。遅くなった」 浩太郎とその他二名を、私はにらみつけた。 「女の子達、先にお店に入ってるよ」 私が言うと、三人は申し訳なさそうに店に入る。 自己紹介が終わると、さっそくお酒を飲みあった。 「お酒なんて久しぶりに飲むかな」 私がお酒を飲んでいると、浩太郎が私に耳打ちしてきた。 「未来の事気になってる子がいるよ」 「え? 誰よ」 ファッションセンスは良く、爽やかな好青年がこっちをちらちらと見ていた。明らかに私を狙っているというのがわかってしまった。 「あいつ、タカシって名前だから。おい! タカシこっちこいよ」 浩太郎がその子を手招きすると“ヨロシク”と言って、私に手を差し伸べてきた。私はその手を握り締めた。 私とタカシ君が話している間。浩太郎は、お姉系の真帆と仲良さげに飲んでいるのを見た。 なんだかもやもやした感じがしたが、私はすぐにタカシ君の方に向き直った。
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