湿気が多い季節で、一番不快になる時期。つまり六月の事だ。浩太郎が私のアパートに転がり込んできた。 二人暮らしってのは、なんだか恋人のような感じがしたが、私達はそんな感情もなく、普通に過ごしていた。 主に料理を作るのは浩太郎で、私が作る料理は、好評ではなかった。まだ浩太郎が作る料理の方がおいしい。 自分一人で生活している時は、ほとんどコンビニ弁当で、久しぶりに人の料理が食べられた。やはり、人の手で作られた料理が一番おいしいと、この時改めて思った。 そして、もう一つ同居してから嬉しい事が増えた。(なんだか恋人みたいな言い方だが)ただいまと言うと返事が返ってくる事だ。 二人でいつも一緒にいると、当たり前だが喧嘩はする。くだらない事で喧嘩した。でも、次の日には二人元通りになっているのが、私達の喧嘩だった。二人ともそれをわかって喧嘩をする。暗黙の了解になっていた。 同居して三ヵ月が経ってある日、浩太郎が合コンの話を持ってきた。 「今度、俺の大学の友達と、未来の大学の友達で、合コンやらない?」 合コン? 私は合コンなんて興味ないし、やったこともないので、どうすればいいかわからなかった。 「えー。なんでそんな事するのよ」 私がため息をつくと、浩太郎が両手を合わせてお願いする。 「お願い。友達がどうしてもって言うんだ」 浩太郎に世話になってるし、しょうがないから引き受けるのもいいかな。と思った私は、彼にOKサインを出した。
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