ナオヤと同棲生活が始まった。引越しは楽しかった。 二人で築き上げてく生活。新婚さんのようだった。引越し屋は使わずに両家の車で協力してもらい引越しを完成させた。 2LOKの4万8000円のアパート。システムキッチン付きで、もったいないくらいいい部屋だった。(予算も収まった) 料理やお菓子作りが好きなゆらは毎日家事に徹した。 休みの日はナオヤと歩いて買い物へ行き、夜の散歩も楽しんだ。体を動かすことが好きだ。 「たんぽぽみーっけ!」 17歳の春。買い物の帰りにたんぽぽの花を一つ手に取る。 「ガキだなぁ〜」 「黄色ってお日様の色!部屋が明るくなるっ」
平穏だった。ゆらは通信高校の勉学に励みながら家事をし、旦那様の帰りを待つ。 こんなに幸せなことがあるだろうか。 ・・・ゆらの居場所。ここでいいんだ。 居たくても居られなかったあの家より、私自身で選んだこの人生。 ナオヤとは毎日が楽しかった。
・・・だが、時が来た。以前にも述べたと思うが夜の恐怖が襲ってきたのだ。 原因はナオヤの仕事時間が夜勤になったことだった。 寂しい、一人怖い。なれない土地で頼るべき人もいない。夜の恐怖が始まった。
ゆらは、とっさに携帯を取り出し出会い系にアクセスしていたのだった。 ゆらが利用したサイトにアクセス。 話し相手欲しさに。ただ、彼が帰ってくるまでの時間のこの恐怖を埋めたかった。 そこから、ゆらの歯車が狂い始めていった。 なぜ、最初にナオヤに、そして友達に相談しなかったのだろうか。 今更悔いても仕方がないのだがあの頃は無意識に手が動いていたんだ。
「はじめまして。俺コウタ、よろしく!」 「ゆらです。電話いいですか?」 「OK!どうしたん?何か震えた声だね」 ゆら17歳、彼は28歳の明るいお兄さんだった。 Emotion4 END
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