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ダブルビジョンA 作者:ジュリ

第6回   6
【晴side】

その日の夜。


いきなり俺の部屋に入ってきた七緒の顔は不機嫌そのものだった。




「晴。」

「ん?」

「嵐史のこと、どういうつもり?」

「どうって。何が。お前に話があるって言うから。」

「僕が嵐史とつきあえばいいと思ってるわけ?」

「・・・やっぱそういう話だったのか。」

「知ってたんだろ。」

「俺は何も聞いてねぇよ。」

「嘘だ。」

「・・・七緒があいつを好きになっても別にいいんじゃねぇの?」

「え・・・・・」

「そうなったらそうなったで俺も七緒の世話から開放されるわけだし、願ったり・・・」

「・・・バカ!晴のバカ!!」

「七緒・・・・・」





また泣く・・・・・。




言ってもいいのか?







俺もお前のこと好きだって。




そう言って傷つくのは・・・苦しむのは・・・お前だぞ。



                                                                                                                    


兄弟じゃなきゃ俺だって・・・・・・。
                                                  


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