********七緒サイド******
晴と一緒にこの道を帰るのは今日で最後。 そのことも凄く寂しいけど、何より晴に彼女がいたことがショックだった。 今まで隠してたの?
「ねぇ晴。彼女・・・・・」 「七緒。七緒も彼女作れよ。七緒だったらすぐできるだろ。」 「・・・・・できないよ。」
ていうか、いらないよ。彼女なんて。
僕は晴がいればそれでいいんだもん。
「七緒?」 「寒くなっちゃうね、僕の隣。」 「・・・なんでそういうこと言うんだよ。」 「だって・・・・・。」 「いつまでも俺に甘えてんなよ。兄貴だろ。兄貴らしくしっかりしてくれよ・・・・。」 「・・・ハルぅ・・・・・」 「そうやってすぐ泣く・・・。」
呆れたように言いながら指で涙を拭ってくれる。
僕の指とは全然違う、ゴツくて男らしい指。
「あ、そうだ。今日のラッキーアイテムって肉まんだったよな。買って帰ろうか。」 「・・・・・うん。」 「七緒の好きなポテトも買おうな?」 「うん。」
まるであやされてる子供だ、僕。
自分でも情けなくなってくる。
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