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ダブルビジョン 作者:ジュリ

第3回   3
********晴サイド********

♪〜〜〜〜〜

『To:ハル
 件名:Re
 本文:帰る。どこいるの?』


『俺の教室』という返信をしてから30秒。
パタパタという足音が近づいてきた。
そして教室のドアが開いた。

「ごめん。」
「生徒会だった?」
「ううん。でもちょっと生徒会室に寄ってた。」
「そ。じゃ帰ろっか。」
「晴。今朝、彼女と帰りたいって言ってたからもう先に帰ってると思ってた。」
「・・・・・今日で最後かな、七緒と帰るの。」
「・・・・・。」

七緒は可愛い。
友達や先生からも言われる。
「七緒が良いトコ全部持って出たんだな。」とか
「晴と七緒が双子だなんて信じられない。本当に血が繋がってるのか。」って。

小学校の時も中学校の時も同じ事を言われてきた。
今はもう慣れてしまったけど、小学校の時は子供心に酷く傷ついた。
本当に血が繋がっていないんじゃないかって何度も思った。
けど真実を知るのが怖くて親にも聞けなかった。

真実は本当に二卵性双生児だったのだけれど。

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Novel Editor by BS CGI Rental
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