【晴side】
「晴(ハル)〜!待ってってば!」
「七緒が占いなんか見てるから時間無くなっちゃったんだろ。」
「いいじゃん。えっとね、晴の今日の運勢はね、健康運がちょっとダメみたい。」
「へぇ。」
「でね、恋愛運が良いみたいだよ。ラッキーアイテムは肉まんだってさ。」
「そ。」
「つまんないなぁ、もう。」
この占い大好きっコは俺の双子の兄の七緒(ナナオ)。
二卵性双生児もいいとこで外見も内面も全く正反対。
七緒は背も小さくて顔立ちも綺麗で髪の毛も茶色で柔らかい。
そして素直で明るい性格で、誰にでも好かれる。
母親にそっくりだ。
一方の俺は、どこからどうみても日本男児って感じだし、 七緒に対するコンプレックスからか性格はねじまがってしまった。
「あのさぁ俺らもう高校生なんだし、兄弟で一緒に登校ってキモくない?」
「なんで?兄弟なんだからいいじゃん。」
「ほら、俺だって一緒に登下校したい彼女いるからさ。」
「えっ・・・・・・彼女いたの?」
「そりゃ・・・まぁ。」
「そ・・・・・か。わかった。」
彼女なんて嘘。
こんな嘘でも言わなきゃ七緒は首を縦に振らないと思ったから。
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