■ トップページ  ■ 目次  ■ 一覧 

Who is she 作者:InVillage

第4回   2日目 @
―――2日目―――

「悠介さん」

またもや僕は彼女の声で目を覚ました。彼女はまたドアの所に立って僕に話し掛けている。

デジャヴみたいだ。

「あ、サヤカさん。おはようございます」

「おはようございます。やっぱり今日も起きるの遅かったですね。」

「あ、すいません…」

しまった。今日は自分で起きるつもりだったのに…

彼女に起こされたおかげか目覚めがいい。彼女の声にはそんな魅力があるのだろう。

そんな事を考えていると突然部屋のドアが「ガチャ」と開いた。

ドアを開けたのは大竹のオバサンだった。

「お坊ちゃん!さっき電話が入りまして、私の姉が車で事故を起こしたみたいなんです。怪我は大した事ないらしいんですけど、少し面倒な事になってるらしいんで私ちょっと行ってきます!後のことは他の使用人に任せますので」

「僕なら大丈夫ですよ。どうせ今日もサヤカさんと散歩に行きますから、ね?サヤカさん」

しかし、サヤカさんからの反応はなかった。

「お坊っちゃん、私に言ってるんですか?とにかく今、急いでますんで!」

大竹のオバサンはそう言って急いで部屋から出ていった。

「え?あ…はい。気を付けてくださいね」

僕は軽く混乱しながら、大竹のオバサンにそう言った。

いつの間にかサヤカさんは消えていた。

「サヤカさーん?」

と一応、呼んでみたが反応はなかった。

あれ…おかしいな…さっきまでいた筈なんだけど…



門の所に行っても彼女はいなかった。

どうしたんだろう?そう思ってた矢先に彼女が後ろから飛んできて僕の腕を掴んだ。

「驚きました?」

「驚いたも何も…他のお手伝いさんはこんなイタズラしませんよ?」

「さ!行きましょう!」

彼女は僕の言葉を無視して、クスクスと笑いながら言った。僕は彼女のこの笑い方が好きだ。

「サヤカさん、どこに消えてたんですか?」

僕の質問に対し彼女はフフフと笑うだけだ。

「悠介さん、またご飯食べてないでしょ?」

「だって、僕がご飯食べてたらサヤカさん長い時間待つ事になりますよ?」

「それは嫌です」

← 前の回  次の回 → ■ 目次

Novel Editor by BS CGI Rental
Novel Collections