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Who is she 作者:InVillage

第2回   1日目 @
―――1日目―――

「悠介さん!起きてください!もうお昼ですよ!」

ん…もう昼か…ああ…起きるか…

「目、覚めましたか?」

誰だ?僕の知らない誰かが部屋のドアの所に立って話し掛けてきている。

女の子だ。結構、若そうだ。若い女の子なんてうちのお手伝いさんの中にはいないぞ?

「ええっと…すいません…誰ですか?」

「あっ…はい。私、今日から悠介さんのお手伝いとして働くようにお父様に言われまして…と言っても、悠介さんの外出についていくだけなんですが…あの…名前はサヤカって言います。どうぞ、よろしくお願いします」

「あ…はい…そうなんですか…」

「じゃあ、私、門の所で待ってますね」

「えっ…あっ…はい…」

突然の事でよく理解できない。

新しいお手伝いさんが雇われるのは珍しい事ではない。これまで何回か新しい人が雇われた事があったが、皆半年程度で辞めていった。

うーん…親父はなんでまた急に外出についてくるだけのお手伝いさんなんかを雇ったんだ?

ちょっと聞いてみようかと思ったが、彼女はいつの間にか部屋から出ていってしまったようだ。

あまり彼女を待たせるわけにはいかない。

僕はいつもより早く着替えて部屋を後にした。

                 



門の外に出るとさっきの彼女が「来ましたね」と言って近づいてきた。

そして、おもむろに僕の左腕に両腕をまわしてきたので、僕はつい緊張してしまった。

「行きましょうか」

と彼女が言うのに対し、僕は

「あっ、はい…」

と言うしかなかった。

それにしても初対面でいきなり腕を組むなんて事があるだろうか。

と、思いつつも正直言うと有り難い。

腕を組んで歩いているので、若い綺麗な女性の甘い、かと言って鼻につかない良い香りがする。

歩いてる僕達は周りの人からはどう見えるのだろう。やはり男女が腕を組んで歩いているのだから、きっと恋人同士にしか見えないだろう。

僕の心臓は今にも爆発しそうだ。

「あの…失礼ですけど…サヤカさんは…お幾つですか?」

これだけのセリフを言うのに僕はかなり緊張してしまった。

日頃、僕はお手伝いさん以外の女性の名前を呼ぶ事なんて無いし(よく考えれば、この娘もお手伝いさんなのだが)、ましてや下の名前で呼ぶ事なんて全くである。

やっぱり女性に年齢を聞くのは失礼だったか…と言った直後に後悔したが、彼女は嫌がる様子もなく

「今、23です。悠介さんと一緒ですね」

と優しく答えてくれた。

僕は会話を途切れさすまいと次の質問を考えた。

「えぇっと…あの…サヤカさんはどこにお住まいなんですか?」

と、質問した僕の緊張は彼女にも伝わったのだろう。彼女はクスクス笑ってこう答えた。

「私は悠介さんのお家の近くに住んでますよ。それより悠介さん緊張してませんか?」

「あ…いや…」

「悠介さん、私よりも丁寧な言葉使ってますよ?私は園山家に雇われてる身なんですから使用人に話し掛ける口調でいいですよ」

と彼女が言った。

「あっ、すいません」と僕が言うと、彼女は「ほら、また」と笑ったので、僕の顔にも笑みがこぼれた。

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Novel Editor by BS CGI Rental
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