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Who is she 作者:InVillage

第1回   プロローグ
自分で言うのもなんだが、我が園山家はかなり裕福である。

僕の父、園山浩二郎は世間ではそこそこ有名なある企業の社長である。そのため我が家は一般の家と比べるとかなりデカい。

前にお手伝いの大竹のオバサンから聞いたことがあるのだが、周りの住民からすると我が家は家というより屋敷と呼んだほうが適当らしい。

実際に屋敷内に部屋は大小合わせて50くらいある。それに庭はとても広く、植え込みや池がある。子供の頃よくそこでお手伝いさん達に遊んでもらった。

こんな裕福な家庭に生まれた僕は現在23歳。無職。

仕事はないのだが親が有名企業の社長だ。働かなくても生活していける。それを考えると本当にこの家に生まれて良かったと思う。

そんな暇人の僕も一応、運動不足には気を付けている。僕は昼に起き、一人で近所に散歩に出掛ける。これはもう日課になっている。特に矢野崎公園という大きな公園は僕のお気に入りだ。昼の公園はとても静かで落ち着くのだ。

とは言っても我が家がうるさいと言うわけではない。我が家にはお手伝いさんくらいしか話相手はいない。父は仕事で帰ってくるのは12時くらいで、翌朝6時には起きて仕事に行ってしまうのだ。それに母は遠い昔に他界した。その上、僕に友達はいない。

その筈だった。

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