屋上に跳んだ私達は霊体が改めて便利だと感じた
「通り抜けフープも要らないわね」 「つーか無いよ」
元の年齢に戻った私達の容姿は、やっぱり誰にも見えることはなく 奇想天外な行動をしても驚かれることはない
んばっ
「自発的スカート捲り〜」 「やめろって///」 「わざわざビル街の屋上を見る奴なんておらんおらん」 「横にいるのに気にしないのかよ・・・」 「いや、爽快爽快」
全身に風を受ける格好で立ち、腹の中をすり抜ける風を感じる
「・・・変質者じゃん」 「違うわよ。自然を感じてるの」 「通り抜けてるし」 「・・・いいの」 「あそぅ」 「生きてる時の感覚を、まだ覚えてる内に思い出しておくのよ」 「・・・あそぅ」
仰向けになると、空は青から赤へのなだらかな階段に塗り潰されていた それでも、自分のことは全く思い出せないのだけれど
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