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カノンとハル 作者:小川吾鳥

第5回   Act5
                 
屋上に跳んだ私達は霊体が改めて便利だと感じた

「通り抜けフープも要らないわね」
「つーか無いよ」

元の年齢に戻った私達の容姿は、やっぱり誰にも見えることはなく
奇想天外な行動をしても驚かれることはない

んばっ

「自発的スカート捲り〜」
「やめろって///」
「わざわざビル街の屋上を見る奴なんておらんおらん」
「横にいるのに気にしないのかよ・・・」
「いや、爽快爽快」

全身に風を受ける格好で立ち、腹の中をすり抜ける風を感じる

「・・・変質者じゃん」
「違うわよ。自然を感じてるの」
「通り抜けてるし」
「・・・いいの」
「あそぅ」
「生きてる時の感覚を、まだ覚えてる内に思い出しておくのよ」
「・・・あそぅ」

仰向けになると、空は青から赤へのなだらかな階段に塗り潰されていた
それでも、自分のことは全く思い出せないのだけれど
          

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Novel Editor by BS CGI Rental
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