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カノンとハル 作者:小川吾鳥

第4回   Act4
                    
OLのカノンが人混みの中に混ざった
昼の癖に煩い雑踏に、園児のハルは耳を塞ぐ

「うるさいよカノン」
「私じゃないわ」
「カノンがここにいることが問題なの」

路地に寄りかかるハルは不満たらたら

暫く一緒にいたら少し解ったことがあった
私とこの子はある程度距離が離れたら不安になるのだ

・・・違う・・・
消えてしまうのだ、気配が

「人がいっぱいの中にまぎれて、おもしろい?」
「そうねぇ・・・、眠くならないわね。疲れや気だるさはあるのに、フフ」
「・・・つかれてねむくなるまで立ってるの?」

ハルは小さく首をかしげて怪訝な顔でカノンを見上げた

「そーんな、まっさか〜!」
「する気だったんだ・・・よかった気づいて。出ようよここ」
「解ったわよ・・・手つなぐ?」
「・・・人ごみの中でハグレないためだからね」

うつ向いて手を伸ばすハル
はいはい

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