それはとある国のとある街。 そこに一匹のワンちゃんが住んでいました。 名前はフランク。ゴールデンのワンちゃんです。
ある日フランクの家の前にトラックが停まっていました。 「あれぇ? こんな所に大きな車が停まってるワン」 トラックにはApple≠ニ書いてあります。 「リンゴ…」 実はフランク、リンゴが大好き。 誘惑に負けてフランクはトラックの中に入ってしまいました。 「ちょっとだけだワン…」 鼻をクンクンさせてリンゴの匂いを嗅ぎます。
キキィィイイーッッ!! 「キャインッ!」 トラックの中で転がるフランク。 「…?」 隙間から見ると其処は…。 「ここは何処だワン!?」 一面リンゴ畑。 フランクはいつの間にかトラックの中で寝てしまっていたようです。 「ど…どうしよう…だワン…」 フランクが慌てていると、薄暗い車内に光が差し込んできました。 「君は…誰!?」 其処に居たのは優しそうなおじさん。フランクよりも少し小さいワンちゃんです。 「う…う…うわぁぁ〜ああん!」 フランクは大声で泣いてしまいました。
「そうか…リンゴにつられて…」 おじさんは困ったように言うと、フランクに顔を向けました。 「僕は仕事があるから送っていけないけど…隣のアンディさん家に頼んでみよう」 そうして指さした先はとても広い畑。 「??」 「はは。アンディさん家はそのずっと向こうさ。畑は広いから」 その言葉を聞いたフランクは再び涙目になりました。 「ぼ…ぼく…遠かったら…」 フランクを見ておじさんは慌てて言いました。 「そこまでは送っていくから! 大きいのに泣かないで!」
「こ…こんにちはだワン」 此処はアンディさんの家。声をかけてみましたが、中から返事はありません。 「居ないのかなぁ…だワン」 「ごめん。居るよ」 「!?」 ポンッと方に手をおかれて、フランクは吃驚してしまいました。 「あぁー…。ごめん。話は聞いているよ」 アンディさんをよく見ると、フランクよりも大きいことに気が付きました。 今まで自分より大きいワンちゃんを見たことが無かったフランクは、目をきらきらさせました。 「?」 「僕より大きいワン!」 「はは。じゃあ帰ろうか」
ブブーッ。 アンディさんが運転するトラックは色々な街を通ります。 フランクはさっき沢山寝たので、窓から景色を眺めていました。
「はいっ。着いたよ」 あっという間に家に到着。 此処で楽しかったトラックの旅も終わりです。 「アンディさん…あ…あの…有難うございましたたワン!」 「はは。僕も楽しかったよ。また遊びに来てね」 「ワン!」
「ただいまー」 「お帰りなさい」 家に帰ると家族が迎えてくれました。 「あ。そういえばフランク、荷物来てたよ」 「え?」 其処には大きなダンボール。 差出人はあのリンゴ農家のおじさんです。 「わ〜! リンゴだワン!」 フランクは笑顔で言いました。
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