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*童話の箱* 作者:藤野麻衣

第1回   大きくたって 〜ワンワン王国のお姫様〜
此処は沢山の犬が生活する国――。
その名も ワンワン王国 。
ほら此処にもゴールデンレトリバーのワンちゃんが一匹。
「新聞でーす」
「有難うだわん!」
名前はフランク。雄のワンちゃんです。


利口に新聞を読んでいたフランクはある記事を見つけました。
「何ぃ〜大変!? サナ姫が誘拐されたワン!?」
サナ姫とはワンワン王国のお姫様のコト。
誘拐されたなんて一大事です!
「どうしようだワン…」
「あーはっはっはっ」
不気味な笑い声が聞こえました。
「悪魔の光奈様だ! サナ姫を誘拐してやったぞ!」
なんと! サナ姫を誘拐したのはこの国で一番悪いやつ、光奈だったのです!
「サナ姫を返せワン! 何でもするワン!」
「なんでも…?」
光奈はとても楽しそうに言いました。
「じゃあお菓子ボーンを持ってシベリアン山に来い!」
そう言うと光奈は、何か言いたそうなフランクをおいて消えてしまいました。


噂によるとシベリアン山は北の方にあると聞きます。
フランクは北の方に向かって一生懸命走りました。
「そこのゴールデン! 何をそんなに急いでるんだい?」
フランクに柴犬が話しかけてきました。
「ボク、シベリアン山に行きたいんだワン!」
「え? シベリアン山はすぐ其処だよ?」
なんと! シベリアン山はそれ程遠く無かったのです!
「有難うだワン!!」
フランクは再び走り出しました。

シベリアン山は高さはそれ程ありません。
でも、何だか恐い感じのする山です。
「お菓子ボーン持ってきたワン!」
「意外と早かったな! 早くくれよ!」
フランクは素直にお菓子ボーンを渡しました。
「サナ姫を返せワン!」
「えー☆ 聞こえなーい☆」
フランクは何だか腹が立ってきました。

そして一発…。
「フランクのニクキュウパーンチ!!」
ドカッ。
フランクのパンチは見事光奈に命中。
ついにふらんくは光奈を倒してしまいました。
「嘘つくのが悪いワン!」


サナ姫はシベリアン山の洞窟に閉じこめられていました。
洞窟の中からはサナ姫の鳴き声が聞こえます。
「フランクのシッポアタァァアアック!」
バリン。
見事柵を壊し、サナ姫を無事救出と思ったら…。
「キヤァァァアアアア! 大きい〜食べられるぅぅ!」
「ワン!?」
サナ姫実は小型犬のワンちゃん。何倍もあるフランクに驚いて逃げてしまいました。
「そんなぁ…だワン…」
まぁ、サナ姫が無事だったし…。
めでたし、めでたし☆


                        

この作品は、学校で作った絵本のアレンジ版です。愛犬とお隣の犬がモデルです(笑)
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Novel Editor by BS CGI Rental
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