「願い事、決まりましたか?」 とある豪邸の一室。目の前には琉季亜・リオ。 「もう少し待ってくれ」 相変わらず反応薄し。 普通なら初対面の時、何かしら反応があるのですが…それも無し。 拒絶が無いというのも逆に気持ち悪い。 「…琉季亜さん?」 「何だ?」 一番早いモヤモヤの解決方法は「聞く」こと。 「どうしてそんな…魔法使い≠ノ対して無反応なんですか? 通常なら…」 「あぁ、そのこと」 何でもないように話を遮る。 「俺の母が特殊能力を持ってる。まぁ祖父母もなんだけど」 なるほど。 祖父母も母も能力者≠ナあれば、今更魔法使い≠ノ驚く必要ありませんもんね…。魔法使いも能力者の一種なんですから。 「では…魔法使いの話、聞いたことあります?」 キョトンとした顔で私を見つめ返す、琉季亜・リオ。 「沢山色々な話があるからさ…きっとお前が言ってるのは知らない」 良かった。 内容を全て知られると…私にとっては不都合ですからね。 あの2人も知らないようですし、ばれる前に早く片づけてしまわないと…。 「J? どうした? ぼーっとして」 異変に気が付いたようだ。危ない。 「大丈夫です。少し疲れてただけですから」 「そうか、体、休めろよ」 意外な言葉に少し驚く。人から心配されたのなんて…。 「有難うございます。では、また」 イケナイ。こんなことで動揺していては。 私には…達成しないといかないことがあるのだから。
|
|