あれから数日。Jは姿を現さない。 魔法使い≠フ話も思い出せないし…。 「せめて何処で聞いたか思い出せればなぁ…」 ため息混じりの声を出す。 どう考えたって分からない…って何となく気持ち悪い。 「どうかしましたか?」 「うひゃっっ!」 当然現れたJに思わず悲鳴をあげる。 しかしJは全く気にしていなさそうだ。 「様子を見に来たんですが…願い事、どうですか?」 「無いですっ!」 即答。 Jはため息をつく。 「…ねぇ、J?」 私は急に思いついた疑問をJに投げかけてみる。 「どーしてJは願い事を叶えたがるの?」 無言。少し驚いたような顔。ザマーミロ! この前の仕返しだいっ! 「…──教えられません」 え!? そんなっ!? Jは無表情。一体何を考えているんだろう…? 謎の部分も多いし…。 というか存在自体が驚きだからね。 「もう帰ります」 「え!? もう!?」 あ。つい…。 Jは不思議そうに私を見ている。 「今日は貴女の様子を見に来ただけですし。あ、そういえば今日、貴女のお母さんは仕事で居ないんでしたね」 「うん」 少し期待してみる。が。 「それではまた」 Jは指をパチンと鳴らして消えてしまった。 いや…分かってたけどさ。まだ色々と聞きたい事があったのに…。 「…しょうがないか…」 私は小さなため息をついた。
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