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陰影 作者:藤野麻衣

第6回   *4* 期待と疑問
あれから数日。Jは姿を現さない。
魔法使い≠フ話も思い出せないし…。
「せめて何処で聞いたか思い出せればなぁ…」
ため息混じりの声を出す。
どう考えたって分からない…って何となく気持ち悪い。
「どうかしましたか?」
「うひゃっっ!」
当然現れたJに思わず悲鳴をあげる。
しかしJは全く気にしていなさそうだ。
「様子を見に来たんですが…願い事、どうですか?」
「無いですっ!」
即答。
Jはため息をつく。
「…ねぇ、J?」
私は急に思いついた疑問をJに投げかけてみる。
「どーしてJは願い事を叶えたがるの?」
無言。少し驚いたような顔。ザマーミロ!
この前の仕返しだいっ!
「…──教えられません」
え!? そんなっ!?
Jは無表情。一体何を考えているんだろう…? 謎の部分も多いし…。
というか存在自体が驚きだからね。
「もう帰ります」
「え!? もう!?」
あ。つい…。
Jは不思議そうに私を見ている。
「今日は貴女の様子を見に来ただけですし。あ、そういえば今日、貴女のお母さんは仕事で居ないんでしたね」
「うん」
少し期待してみる。が。
「それではまた」
Jは指をパチンと鳴らして消えてしまった。
いや…分かってたけどさ。まだ色々と聞きたい事があったのに…。
「…しょうがないか…」
私は小さなため息をついた。

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Novel Editor by BS CGI Rental
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