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陰影 作者:藤野麻衣

第5回   *3* 2人目のターゲット
「二人目のターゲット。見つけましたよ…」
上空から見下ろして言う。視線の先には独りの青年。
「琉季亜・リオ。大企業ジーニアス社二代目社長の息子…」
大企業の御子息に大した悩みがあるとは思えませんが。
「まぁ、そう簡単にはいきませんか…」
その時脳裏に浮かんだのは一人目のターゲット、乃絵・ミドルトン。
彼女は簡単に落とせると思っていたんですが…ね。
「仕方ありません。三人&K要なのだし」
そう言ってその場から姿を消した。

「貴方の願い、私が叶えて差し上げましょうか?」
「お前は…?」
少し首を傾げて琉季亜は言った。
突然現れたのに、全く動じる気配が無い。
「魔法使いです。J≠ニお呼びください」
それにしても…魔法使い≠目の前にして反応薄いですね…。
琉季亜の顔はいたって平然。…まぁ、私には関係ないですが…。
「貴方の体、魂を全ていただけるのでしたら、貴方の思い通りの世界を作る事だって…」
「俺の体の一部がいるのか?」
コクンと頷く。他の人と反応が違うのでやりにくい。
普通、こんな事いきなり言われたら、多少動揺するでしょう…?
「もう独りじゃない。友達を沢山作ることだってできますよ?」
鈍感なのか何なのか…自分の悩みを知られても動揺0ですか。
心の奥にある、誰にも言えない闇。
知って欲しい。しかし、知られるのが怖い。悔しい。苦しい。
通常なら、拒絶反応がでるはず。なのに……。
「もう少し考えさせてくれ。自分の魂をいきなり売るわけにもいかねぇ」
「そうですか。ではまた」
逃げるように姿を消す。
琉季亜・リオ。一体何者なんでしょうか…?
「二人とも…面倒くさいですねぇ」
残る種はあと一粒。さて、三人目はどんな感じでしょうか?

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Novel Editor by BS CGI Rental
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