「二人目のターゲット。見つけましたよ…」 上空から見下ろして言う。視線の先には独りの青年。 「琉季亜・リオ。大企業ジーニアス社二代目社長の息子…」 大企業の御子息に大した悩みがあるとは思えませんが。 「まぁ、そう簡単にはいきませんか…」 その時脳裏に浮かんだのは一人目のターゲット、乃絵・ミドルトン。 彼女は簡単に落とせると思っていたんですが…ね。 「仕方ありません。三人&K要なのだし」 そう言ってその場から姿を消した。
「貴方の願い、私が叶えて差し上げましょうか?」 「お前は…?」 少し首を傾げて琉季亜は言った。 突然現れたのに、全く動じる気配が無い。 「魔法使いです。J≠ニお呼びください」 それにしても…魔法使い≠目の前にして反応薄いですね…。 琉季亜の顔はいたって平然。…まぁ、私には関係ないですが…。 「貴方の体、魂を全ていただけるのでしたら、貴方の思い通りの世界を作る事だって…」 「俺の体の一部がいるのか?」 コクンと頷く。他の人と反応が違うのでやりにくい。 普通、こんな事いきなり言われたら、多少動揺するでしょう…? 「もう独りじゃない。友達を沢山作ることだってできますよ?」 鈍感なのか何なのか…自分の悩みを知られても動揺0ですか。 心の奥にある、誰にも言えない闇。 知って欲しい。しかし、知られるのが怖い。悔しい。苦しい。 通常なら、拒絶反応がでるはず。なのに……。 「もう少し考えさせてくれ。自分の魂をいきなり売るわけにもいかねぇ」 「そうですか。ではまた」 逃げるように姿を消す。 琉季亜・リオ。一体何者なんでしょうか…? 「二人とも…面倒くさいですねぇ」 残る種はあと一粒。さて、三人目はどんな感じでしょうか?
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