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陰影 作者:藤野麻衣

第4回   *2* 魔法使い J
自分に部屋で私はJ≠ニ向き合っていた。
「願いを叶える…って如何いう事? J」
「私達は人の体の一部≠代金として、貴女達人間の願いを叶えるんです」
Jは微笑んで言う。
「話を聞いたことはありませんか?」
私は考え込んだ。…何処かで聞いたような気がするんだけど…。
「どっちみち私には今、叶えたい願いは無いから」
「一つも?」
一瞬にしてJの表情は変わった。
「本当ですか??」
「え…うん」
その瞬間、私の視界は一気に逆転した。
ドサッ
「キャ……ッッ」
「本当に願いは無いのですか? 何でも叶えてあげますよ?」
手首をしっかりと押さえつけられてる…振りほどけないっ。
「もし貴女の体…いえ、魂ごと頂けるのでしたら、貴女の思い通りになる世界を作り出す事だって出来ますよ?」
Jの表情が私の目の前で不気味に変わった。
「…亡くなった父親に会うことも…」
「J…知って…っ!」
Jは両手を離した。私は起き上がる。
「お父さんに会わなくても…平気。願いは…無い」
「そうですか」
そう言ってJは溜息をついた。
「それではまた出直してきます」
「妖精のくせに手荒な事して…っ」
「魔法使いです」
Jはそう言うと消えた。
私は、ただただ戸惑っていた。
急に、Jが、知るはずのない父親の事を出されたこともある。
だけどそれより………………………。
『魔法使いJ』の存在が私には一番の大きなショックだった。

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Novel Editor by BS CGI Rental
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