「J…消えちゃったのかな…」 あれから1週間。Jは全く姿を現さない。 葵、琉季亜と仲良くなれたのは嬉しい…だけど。 Jが居なくちゃ。……心にぽっかりと穴が開いた感じ。 「諦めずに待ってようぜ」 琉季亜の言葉に少し頷いてみせる。 「絶対Jは帰って……………ぇ…………うわぁっ!!?」 珍しく琉季亜が奇声をあげる。 もし、これが葵だったら、私は反応しなかっただろうけど。 「どーしたの?」 彼の視線の先を辿る。そこには…。 「Jっ!!?」 「どーして…」 Jを指す葵の指が、震えているのが伝わってくる。 「どーしてって…呼んだのは貴方達でしょう?」 いつもと変わらない、あまり感情の入らない言い方。 たった1週間。それだけだったのに。 まるで長い間会っていなかったような。 「こっちに居られるのか?」 私の心の中に流れる温かなモノ。 「はい」 2度目の。だけど、前回とは違う穏やかな…Jの笑顔。
あのおとぎ話には続きがある。それを知るのはホンモノ≠セけ。 ───本当に人を想う心が有る者は、任務を果たすことが出来ない。 しかし、神はその者たちに問う。 「そなたの願いは何だ?」 と。神が求めているのは、命ではない。人を想う心。 嘘、偽りは天国へ持っては行けない。 だから、これは偽善者を見分けるために課せられる試験。 本当の合格ライン≠ノ立った者だけが、願い事を叶えてもらえるのだ。
私が、Jが、心から願う、願い事。それは…。
『3人ともっと一緒に居たい』
|
|