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陰影 作者:藤野麻衣

第20回   *終* 心からの願い事
「J…消えちゃったのかな…」
あれから1週間。Jは全く姿を現さない。
葵、琉季亜と仲良くなれたのは嬉しい…だけど。
Jが居なくちゃ。……心にぽっかりと穴が開いた感じ。
「諦めずに待ってようぜ」
琉季亜の言葉に少し頷いてみせる。
「絶対Jは帰って……………ぇ…………うわぁっ!!?」
珍しく琉季亜が奇声をあげる。
もし、これが葵だったら、私は反応しなかっただろうけど。
「どーしたの?」
彼の視線の先を辿る。そこには…。
「Jっ!!?」
「どーして…」
Jを指す葵の指が、震えているのが伝わってくる。
「どーしてって…呼んだのは貴方達でしょう?」
いつもと変わらない、あまり感情の入らない言い方。
たった1週間。それだけだったのに。
まるで長い間会っていなかったような。
「こっちに居られるのか?」
私の心の中に流れる温かなモノ。
「はい」
2度目の。だけど、前回とは違う穏やかな…Jの笑顔。







あのおとぎ話には続きがある。それを知るのはホンモノ≠セけ。
───本当に人を想う心が有る者は、任務を果たすことが出来ない。
しかし、神はその者たちに問う。
「そなたの願いは何だ?」
と。神が求めているのは、命ではない。人を想う心。
嘘、偽りは天国へ持っては行けない。
だから、これは偽善者を見分けるために課せられる試験。
本当の合格ライン≠ノ立った者だけが、願い事を叶えてもらえるのだ。

























私が、Jが、心から願う、願い事。それは…。



『3人ともっと一緒に居たい』

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Novel Editor by BS CGI Rental
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