「腐ったリンゴを元の新鮮なリンゴに戻して差しあげましょうか?」
小さい頃、魔法使いのお話を母から聞いたことがあった。 「魔法使いはね、死んでしまった人がなるの。この世に未練を残した良い人≠ェね。」 「えー良い人=H?」 「そう。神様がもう一度チャンスをくれるの。でも…。」 私は小さい耳を傾けた。 「魔法使いは何でも望みを叶える事が出来る。人の体の一部≠ェあれば。だからもうその魔法使いは良い人≠ナは無くなってしまうの…。」 「どうして? 何でも出来るなら困っている人を助けたり出来るよ!」 私は小さい手をぶらぶらさせて言った。 「そうね……大きくなったら分かるわ……。」
昔々母から聞いた小さな小さなおとぎ話。 不思議でキラキラしてて、何処か他と違う雰囲気を持っていて…。 だけど、この話は時が経つにつれ、私の頭の隅っこで小さくなった。 今ではもう、思い出せないほどに――――…。
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