きっとそれは必然的だった。 何かに、神に導かれ、元々こうなることが決まっていたかのように。 偶然や奇蹟の域を超えた。それを運命≠ニ人は呼ぶ。 「この絵…J…なのか…?」
「俺は琉季亜・リオ。この絵画展のスポンサーなんだ。俺ん家」 ある日の昼下がり。あれからたったの数日で。 「乃絵・ミドルトンです」 「私は白柳葵。あの絵描いたの私ね」 目の前に居る3人目のターゲット これでJに関わっている全ての人が揃った。 そう、私が葵と出会ってから1週間も経っていないのに。 これが単なる偶然? それともこれが奇跡的な出来事? 「ところで何だ? 話って」 目の前に居る2人目と3人目のターゲットを見るたびに心が揺れる。 琉季亜・リオに御伽話…真実を伝えるたび心が痛む。 Jを信じたいと思う心の裏にある、大きな恐怖感。 ウラギリコウイ。カレハダレモシンジテイナカッタ? 時折、言葉が詰まる。葵が私をフォローする。 「そうか」 話を聞き終えた後の彼は驚くほど落ち着いていた。 「Jの願い事って何なんだろうな…」 私達を消してまで叶えたいJの願い。 駄目だ。信じるって決めたのに。心、揺れていては…。 「なぁ」 俯き、黙り込む私と葵に、琉季亜はしっかりとした口調で言った。 「本人…Jに直接聞いてみようぜ」 「え?」 ダレカシンジルコト。ダレカヲオモウコト。 「これだけじゃ俺、納得できない。何時までも曖昧なまま悩んでるより、Jの口から聞いて、しっかり考えてぇから」 ソレハスベテジブンシダイ。
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