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陰影 作者:藤野麻衣

第14回   *12* キャンバスに描かれた繋がり
家を飛び出して来たのは良いものの…一体何処へ行けば良いんだろう?
何かに導かれるように此処へ来て。
だけどビル街の中どうすれば良いのか分からなくて。
「取りあえず…此処にでも入ってみるか」
第48回 高校生絵画展覧会≠スだ目に付いただけ。
確か私の友達にも出品した人が居たな…それくらいの感じだった。でも。
展示会場の奥に飾ってあった絵で。
「え…これって…」
此処まで来たのは私の直感だけではないと思い知った。
「この絵…J…?」
そう、きっとこれは神様の導きだった。
「貴女Jを知ってるの?」
私がこの時出会ったのは、この絵を描いたもう1人の…3人目のターゲット。
「初めまして。白柳 葵です」


もう1人のターゲット白柳 葵。そしてもう1人いる。
未だ自分でも信じられなかった。どうしたら良いのか分からなかった。
だけど私は……彼女に全て話した。魔法使いの御伽話の事を。
「え…? じゃあJは私達を…?」
「でもJは。確かに少し乱暴だけど、本当はいい人だと思う」
これは私が思っていることであり、願ってることでもあった。
彼女も私の話に頷く。
Jと少し仲良くなれた。そう思った矢先の出来事。
初めて会っての重い話。苦しい話。
本当はこんな事を話したくない。考えたくない。でも逃げられない。
だけど2人の想いは同じだった。
『信じていたい』
「葵さん。探してみましょう。もう1人のターゲット。きっともう1人も近くにいるはずです」
もう1人の、Jとの接触者。
1枚のキャンバスに描かれた繋がりは。
きっと神様が描かせたもの。

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Novel Editor by BS CGI Rental
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