家を飛び出して来たのは良いものの…一体何処へ行けば良いんだろう? 何かに導かれるように此処へ来て。 だけどビル街の中どうすれば良いのか分からなくて。 「取りあえず…此処にでも入ってみるか」 第48回 高校生絵画展覧会≠スだ目に付いただけ。 確か私の友達にも出品した人が居たな…それくらいの感じだった。でも。 展示会場の奥に飾ってあった絵で。 「え…これって…」 此処まで来たのは私の直感だけではないと思い知った。 「この絵…J…?」 そう、きっとこれは神様の導きだった。 「貴女Jを知ってるの?」 私がこの時出会ったのは、この絵を描いたもう1人の…3人目のターゲット。 「初めまして。白柳 葵です」
もう1人のターゲット白柳 葵。そしてもう1人いる。 未だ自分でも信じられなかった。どうしたら良いのか分からなかった。 だけど私は……彼女に全て話した。魔法使いの御伽話の事を。 「え…? じゃあJは私達を…?」 「でもJは。確かに少し乱暴だけど、本当はいい人だと思う」 これは私が思っていることであり、願ってることでもあった。 彼女も私の話に頷く。 Jと少し仲良くなれた。そう思った矢先の出来事。 初めて会っての重い話。苦しい話。 本当はこんな事を話したくない。考えたくない。でも逃げられない。 だけど2人の想いは同じだった。 『信じていたい』 「葵さん。探してみましょう。もう1人のターゲット。きっともう1人も近くにいるはずです」 もう1人の、Jとの接触者。 1枚のキャンバスに描かれた繋がりは。 きっと神様が描かせたもの。
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