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陰影 作者:藤野麻衣

第13回   *11* 変わっていく気持ち
「え…? お母さんその話…」
「私が知ってるのは此処までよ」
私はその場に呆然として立ちつくしていた。
あのJが私達の命を奪おうとしている…?
もし、御伽話が本当なら、Jが接触しているのは私以外にも2人いて…。
「どうかした、乃絵?」
何処に行けばいいかなんて分からなかったけど。体は勝手に動いた。
「お母さん! 私出掛けてくるっ!!」


「少し久しぶりだな。J」
「はい」
この人、琉季亜・リオに会うと少し安心する私がいる。
同じ『能力持ち』だからでしょうか? それとも……。
「J。顔色悪いぞ。大丈夫か?」
最近、考え込んで休む暇もないくらいで。
遂にそれが表面に出てきてしまった。
「大丈夫です。心配して下さって有難うございます」
顔を伏せて言った。これ以上見られると、私の考えている事まで見透かされてしまうようで…怖い…です。
「あのさ。J。願い事のことなんだけど」
不意打ちの話題に思わず顔を上げる。
「はい?」
「やっぱいい。もう願い事、もしかしたら叶っちまったかもしれねぇから」
「え…?」
琉季亜・リオと目が合う。
彼は悪戯っぽくにやりと笑って言った。
「俺達もう、友達だろう?」
普通なら嬉しいはずの、その言葉が胸に突き刺さる。


私がやっているのは正しいことなんでしょうか?
誰かの命を奪ってまで叶えたい願いだったでしょうか?
私はもう…何も…分かりません。

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Novel Editor by BS CGI Rental
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