■ トップページ  ■ 目次  ■ 一覧 

短章詩文  2 作者:紅羽

第1回   1
 天候旅行


 ねぇ、明日もし晴れたら。あの場所に行こう。

 緑が広がる、草原の海。

 金色の絨毯が敷かれた、ヒマワリ畑。

 青いっぱいの、澄み渡る湖。

 君が喜ぶ場所、どこでも僕が連れて行ってあげる。


 ねぇ、明日もし雨が降ったら。あの場所に行こう。

 点々と水溜りが広がる、夕暮れの公園。

 しずくが滴る、新緑の森の中。

 ふわりと霧が舞う、あの丘のてっぺん。

 君が楽しい所、どこでも僕が連れてってあげる。


 君といれればいつだって幸せだから。

 ねぇ、だから明日も出かけよう。

 気まぐれ気分の、天候旅行。






























 



 ―――早く、君にあいたいな。




























 こころ


 ほんの少し、こころが痛んだ日は。

 そっと目を閉じてあなたを思い出すの。

 どんな時でも優しいあなた。

 温かくて、大きな腕の中に包まれると幸せになれる。

 その温もりは私の中に眠って、柔らかく私の痛みを包むの。


 ―――ほら、もう、痛くないよ。





























 あなたがここにいる今が、何より幸せだと思う。



次の回 → ■ 目次

Novel Editor by BS CGI Rental
Novel Collections