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短詩小文 作者:紅羽

第7回   7
逃げ道


逃げ道作るなかれ。

逃げるのはおよしになって。

逃げるな。

逃げんなよ。

逃げちゃ駄目だよ。


―――逃げろ。


戦って、それでも駄目な時は逃げろ。

泣いて、もう自分には敵(かな)わないと思ったら逃げろ。

限界を超えて、戦おうとするのはそれはただの莫迦(ばか)だ。

逃げろ。大丈夫、道は幾(いく)らでもある。

たった一つのことに、力を費やすんじゃない。


…さて、どちらを信じようか。






























―――先に進むか、後戻りするか。
私はどちらを選べるのだろう。








































向日葵(ひまわり)の花


こんにちは、私はヒマワリという名前の女の子です。

この前小学校を卒業しました。もう、お姉さんになりました。

私の名前の由来は、向日葵という花は、いつだって、眩く輝く太陽を見ているからだか

らだそうです。

私はこの名前がとても気に入っています。

例え、二度と太陽が見れない身体になっても、私の名前の中には太陽が存在しているか

ら。

白く、静寂とした病室の中で、私はいつでも太陽を見ています。

私の心の中に。


―――向日葵は、いつも、太陽を見ている。

































―――ねぇ、前を向いて。
私は幸せだから。

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