青空
晴れるといいねと、君は笑う。
僕は、小さく頷いた。そしてまた君は笑う。
天気予報なんて当てにならない梅雨の時期に、快晴なんて単語は当てはまらない。
それでも、君は快晴だというんだろう。
晴れたらいいねと、笑うんだろう。
君の中ではきっと、幸せな今が快晴で。
僕は、それを誇りに思っている。
―――雨よ、止め。 心に太陽を。
光線曲
星が流れる。
誰かのために星が流れる。
そう言うと、決まって誰かが誰のためでもない、あれは、ただの宇宙のゴミだよとぼや
く。
でもね、違うよ。
流れ星は、確かに誰かの願いを叶えているんだよ。
例えば、失恋して悲しくなってしまった女の人に、新しい優しい愛を。
例えば、子供が生まれなくなってしまった夫婦に、小さな子犬を。
流れ星は、信じている人には、一生に一度、確かに願いを叶えてくれる。
小さな優しい想いを、届けてくれる。
だから、今日も、一つ、星が流れた。
―――流れ星に。 何を願おうか。
|
|