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短詩小文 作者:紅羽

第6回   6
青空


晴れるといいねと、君は笑う。

僕は、小さく頷いた。そしてまた君は笑う。

天気予報なんて当てにならない梅雨の時期に、快晴なんて単語は当てはまらない。

それでも、君は快晴だというんだろう。

晴れたらいいねと、笑うんだろう。

君の中ではきっと、幸せな今が快晴で。

僕は、それを誇りに思っている。





























―――雨よ、止め。
心に太陽を。




































光線曲


星が流れる。

誰かのために星が流れる。

そう言うと、決まって誰かが誰のためでもない、あれは、ただの宇宙のゴミだよとぼや

く。

でもね、違うよ。

流れ星は、確かに誰かの願いを叶えているんだよ。


例えば、失恋して悲しくなってしまった女の人に、新しい優しい愛を。

例えば、子供が生まれなくなってしまった夫婦に、小さな子犬を。


流れ星は、信じている人には、一生に一度、確かに願いを叶えてくれる。

小さな優しい想いを、届けてくれる。

だから、今日も、一つ、星が流れた。






























―――流れ星に。
何を願おうか。

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