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短詩小文 作者:紅羽

第5回   5

地球のお腹


僕は、自分が不幸だと思っている人間が嫌いだ。

親もいて友達もいて、お金もあるのに不幸だなんておかしい。

五体が動いて知識もあって、笑うことが出来るのに不幸だなんておかしい。

それを指摘するとその人間が返す言葉が、

「不幸って人それぞれだから……」

それは言い訳じゃないんですか?


この世界中に数え切れないほどの人間がいて

その人間がみんな不幸を主張してる。

そのせいで地球はお腹が痛くなって

そのせいでまたみんな不幸になるんだ。


………だから、幸せになろうよ。


例え今日と言う日が辛かったとしても

明日はきっと楽しく生きられるよ。

愛する人に裏切られたとしても

友達がきっと傍にいてくれるよ。

だから。お願い、不幸を主張しないで。

少しでもいいから幸せを見つけて。

切に願う。この辛辣な時代の中で。

僕のお腹を、壊さないで欲しい。






























―――悲しくないよ。
絶対にはなれないから。

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