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短詩小文 作者:紅羽

第3回   3
No,human

生きるキモチをその手で消した

バカな大人の物語


彼はいつか泣いていました

哀しい事を流すために

しかし彼には「哀しみ」はなく

流れて行くのは《感情》でした


彼はいつか笑っていました

沈んだ心を弾ますために

しかし彼には「楽しみ」はなく

弾んで行くのは《無心》でした


いつからか、彼は何も思わず

他人の道具になっていました

「やれ」と言われて動く人間

しかし彼は笑って言います


「例え僕が道具であっても

誰かが僕を頼ってくれる

使う人間がいないと僕は

生きてる意味すら見失うんだ―――」



彼は愛され大人になって

これからも生きてゆきます

しかし、彼はただの道具

人のカタチの意志無き道具

















































































―――自信を持ってください。
生きることに。


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Novel Editor