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短詩小文 作者:紅羽

第2回   2
終わり無き設問

「死にたいと、思った事はありますか
大声で、叫びたいと思った事はありますか
貴方は、何を伝えたいですか
それは、正しい事ですか」

「間違っていると、言ってはいけませんか
ただ周りに、準ずるべきですか
自分の意志は、心のなかに
しまっておかねば、なりませんか」

「愛する人を、守りたいと思ってはいけませんか
救いたいと、願ってはいけませんか
例えそれが、火の中であっても
手を差し伸べては、いけませんか」

「泣いては、いけませんか
愛する人が、姿を消しても
いつ何時ものように、ただ笑って
過ごさなければ、なりませんか」

「思い出しては、いけませんか
例え今が、酷く辛くても
楽しい事、美しいもの、愛する存在に
浸ることは、許されませんか」

「誰にでもなく、出づる問いの
正しいこたえ正解を、見つけられますか
そんな事を問う、私のココロは
とても、病んでいるのでしょうか?」

「―――誰か、答えを、下さい。
豪語できる、正しい言葉
間違いの無い、ただ一つの真実
……貴方には、答えることが出来ますか?」

それが一つの、終わり無き設問。


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