アンナはチェックアウトをした後 あの公園に向かって歩いていた たった1人の人にこんなに夢中になったのは 初めてで、今まで聞いてきたみんなの恋バナより ずっとずっと求めていたものかもしれない どんな障害だって平気、あの時、あの人でなければ‥‥ きっとこんなに夢中になって、探す事も 期待を膨らませる事もなかった‥‥アンナはあの公園に ついて、外からベンチを覗いた いつものベンチにあの人はいた‥‥ 嬉しさのあまりに早足でベンチに向かう ファッションの系統は古着で、髪はオレンジと茶色に なっていた、やっぱり誰かにお世話してもらっているのだろうか‥‥ 「こんにちは‥‥」 ベンチの、あの人の前に立ってアンナは勇気をふりしぼって言った あの人はアンナを見るが、目はしっかりあっているわけではなかった‥‥ 「君は‥‥この前の‥アンナちゃん?」 低いような‥‥高いような声で言った、アンナの事を覚えていたのだ 「はい、さっきたまたま通りかかったら居たので」 そういって隣にちょこんと座った 「いつも通るの?」 あの人は聞いてきた 「帰り道なんで‥‥」 話の続くような会話じゃないけどすごくすごく幸せだった。 アンナはふと思い出して聞く 「あの、お名前は‥‥」 「俺?俺は、ヒロアキ」 ヒロアキ、ヒロアキ、アンナは心の中でうるさいほどはしゃいでいた というよりドキドキが止まらなくてしょうがなかった 「彼女とか‥‥いるんですか?」 アンナはすごく唐突に聞いた気がしておもわず口を押さえてしまった 「ああ、彼女はいない、こんな俺と付き合うやつなんかいねーよ‥‥」 「でも‥‥お洒落ですよね?」 アンナはまたまた疑問系だった 「これは姉キがやってるけど、俺はわかんねぇからなぁ、お洒落なの?」 からかうようにヒロアキは聞いてきた 以外と陽気な人で話は盛り上がっていた 時間もすぎていってあっというまに夕方になった カラスが鳴き始めてヒロアキは言った 「そろそろ帰らなくちゃ」 「また駅ですか?」 ヒロアキはうなずいた 「駅まで一緒しましょ」 「ありがとう」 そういってヒロアキは立ち上がったアンナは杖を渡した すっと緊張はほぐれてすごく快感だった 駅に向かう道でヒロアキの手を引っ張って歩いた 杖があっても人がいれば危ないのだから(俺に付いてこい)というかんじで アンナが引っ張ってあげなければぶつかってしまうこともただならない
家に帰ってまだ夢心地のアンナは嬉しかった 家に帰ったのは1ヶ月ぶりかもしれない、どうせ親なんかめったに 帰ってこない、机には1ヶ月分のお金が置いてあった 1人暮しといっても別に支障はないのだ‥‥ 携帯を覗くとタダオミからメールがきていた あのときメールアドレスを交換したのを思い出した‥‥ 『明日暇?』 短いメールに男の子らしさを感じた アンナは即行メールを打った 『暇です』 そして1分もしないうちにメールがきた 『デートしない?』 アンナは返信した 『いいですよ』
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