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  ひ  よ  こ   作者: い ち こ

第1回   1
声ひとつ消えない教室のノイズ‥‥
授業なんて興味のない生徒
何のために此処に来るかと問われれば
「なんとなく」という言葉も数少ないわけでもない
とにかくどうでもいいのだ、そこのところは
暇つぶしとか、卒業資格が欲しいだけどか‥‥
とにかく人それぞれで良いと思う。
いつものメンバーといつものように話して
つまらない事でゲラゲラ笑って
そんな時代は多分何処の女の子も通用する事だと思う
高校って現代の若者にとってはいつしか憩いの場にしかならないと思う
部活一筋もいれば勉強ヲタもいるし‥‥
メガネが似合えば茶パツが似合う人もいるのだけれど
とにかくこう‥‥不思議な恋をしてみたかった
「あーんな!!」
後ろから目隠しをされた 宮城 アンナ は驚きのあまりに
「ひゃっ」と不思議な悲鳴をあげてしまった
この声だときっといつものグループのコだろう
「今日合コンくる?」
目から手を離して前に来る 間野 ツカサ はニコニコしている
アンナはとくに用事もないけれど今日は合コンという気にはなれなかった
「ごめん、今日気分が乗らない」
ツカサはつまんなそうな顔をする
他に誘えば沢山いるだろうにどうしてこうつっかかるのか
知りたかった
「アンナがいないと男も喜ばないのよー」
ツカサはいつものようにぼやく
それでも別に興味のないアンナは苦笑いするしかなかった


合コンの誘いを断ったアンナはいつもの帰り道をのんびり歩いていた
そういえば最近不思議な人を見かける
通りかかる公園のベンチにいつもの時間に一定の場所に座っているのだ
顔は空を向いていてピクリともしない‥‥
ルックスは完全なのだがどうもふに落ちない所がいくつかあった
今日は合コンもないしアンナは近寄ってみる事にした
アンナは公園に入ると近くのベンチに座った
気付いてない様子だ‥‥よくみるとベンチに杖が立て掛けられている
彼の物なのだろうか‥‥いいきっかけもなくアンナは黙々と時間がすぎるのを待っているだけだった。
日暮れになってきてとうとう彼が立ち上がった
杖を探しているのか手を振っている
アンナはそのとき悟った‥‥この人は目が不自由だったのだ
つかさず歩み寄って杖を渡した
「あの‥‥」
渡すと彼はニッコリ笑って言った
「ありがとう」
多分、いままでこんなドキドキしたことがなかったのは
本気で恋をしたことがないからだろう‥‥
今のアンナは嬉しい&緊張で胸の鼓動が高鳴っていた
「何処まで行くんですか?」
唐突な質問に彼は驚いて言った
「‥‥‥駅‥‥」
アンナも駅に行く所だった
「事故に合うと危ないので送って行きます」
そういって彼の隣を歩いた
よくよく見ると服装も髪型も現代の若者に負けていない
でもこれを独りでやったのかはわからない
彼女がいるのかもしれない‥‥
それでも一緒にいるだけでちょっと安心感が産まれたアンナは
とくに気には止めなかった
いつも遠い駅はすぐについてしまった
「君‥‥名前は?」
最後にアンナの方を向いて聞いてきた
「‥‥アンナです‥‥」
彼はまたニッコリしていった
「ありがとう」
間違いない‥‥これが恋だ‥‥
アンナは彼の背中を見えなくなるまでみとどけた

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Novel Editor by BS CGI Rental
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