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二つの恋 作者:春川 夢

第10回   告白2
「なぁ。あそこの突き出ている石のところまで競争しねぇか?」
「いいぜ。やっぱり俺が一番だろうな。」
「ウチかもしれないよ。」
「オマエはありえない。」
「わかんないよ。」
「絶対そうだ。」
「そんなことはあとにしろよ。じゃあヨーイドン。」
皆いっせいに泳ぎだした。だが私は泳ぐのが苦手・・・。って言うよりも体育の分野全体が苦手。皆との差がどんどん広まってた。ところが、仁だけは違った。
「よ!大丈夫か?」
「うん。それより仁はどうして?」
「俺体育系は苦手なんだ。」
「そうだったけ?」
「そうなんだよ。ところでさぁ。俺智佳に言いたいことがあるんだけど。」
「なに?」
「そ、その。俺智佳の事が好きなんだ!」
「え!」
「返事はいつでもいいからな。じゃあお先に。」
仁はそれだけ言ってまた泳ぎだした。私も早く行かないと行かないといけないと頑張って泳いだ。
「ビリは智佳だな。」
「だって無理だよ。私運動音痴だもん。」
「そうだったけ?」
「そうなんだよ。」
「まぁいいか。」
「あ。私ちょっと疲れちゃった。向こうで休んでるね。」
「疲れるの早いな。一人じゃ寂しいだろうから俺も行くよ。」
「そんな、悪いよ。勇人。私は一人で大丈夫だから。」
「わかった。」
「じゃああとでね。」
私はまた泳いでビーチの方へ戻った。
「あれって仁は私に告白したって事?」
一人で考えているとき横に誰かがいた。
「へぇ。仁は智佳の事が好きだったんだ。」
「ゆ、勇人。いつから?っていうかこなくていいって言ったのに。」
「別に俺も疲れただけだし。」
「嘘つくな。勇人は私と違って運動神経がいいじゃん。」
「まぁその話は置いといて。返事はどうしたの?」
「まだ。」
「よかった。まにあって。実は俺も智佳の事好きなんだ。」
「え!冗句でしょ。勇人は愛美と付き合っているんだから。」
「冗句じゃないよ。」
私の心は大きく揺れていた。

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Novel Editor by BS CGI Rental
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