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命のつながり 作者:秋月星夜

第3回   3
 紫炎はベッドの上に転がり込んだ。そして頭に巡る考えを整理づけた。
 (なぜ、人についての多くの歴史は語られているのに、動物達は語られないのだろう?そういや、学校でも人のことばっかりだった。絶滅した動物のこととか、なにもふれてない。理科の時間ですら、マウナン象や始祖鳥なんてのは習ったけど、そのほかは、さっぱりだ。)
 人は人の歴史しか語らない。紫炎はかすかに怒りを抱いていた。ただ、紫炎は知っている。戦争は多くの命を奪った。同じ国の中でも奪い合い、死ぬ事を恐れない人物を作ろうとした。紫炎は悲しかった。人はいつの時代でも、私利私欲に負けてしまうのだろうか。今でも、なお。紫炎は本当に思った。この世に、人は二種類いるのではないか、光と闇と。
 紫炎は気を取り直して、本をめくった。表紙「戦争の中の動物たち」。はじめに著者の紹介があった。
(東 光作、1999年にこの本を書いた人である。動物をこよなく愛し、守り続けた人。歴史的に有名な人物ではない人であるが、私はこの方を尊敬する。東氏はこの本を終わらせる直前に肺炎で亡くなった。享年三十六歳であった。最後は私が書き留めた。東氏の口癖は「すべての命の尊さを知り、大切にせよ。」であった。この本を読むにあたって、命について知ってほしい。彼もそれを願っている。     星葉 流弥)
 紫炎はこのような人物が存在していた事が嬉しかった。紫炎は飲み込まれるように、次のページを開いた。第一章から第十章までのうち、第一章以外は、動物についてであった。では第一章はなんなのだろうか。紫炎はさらにページをめくる。
 (第一章〜二種類の人〜  その当時、人は私利私欲のためだけにおろかな争いを続けたのでした。まずは教科書の教えない歴史を教えましょう。日本では国のためだといい男の人はほとんど兵隊にされました。そして、死にました。昔はこれが当たり前だったんです。でも、生きて帰った人には涙を流して喜びました。原爆も落とされました。家は燃えました。友達や先生がそのへんで苦しんでいます。     
 この辺までは、皆が習いました。このとき人はなにを考えていたのでしょうか。ただおびえ、敵を憎んでいただけでしょう。そんなときに一人の女性を中心にある組織が作られたのです。組織の名は『BELIEVE IN LOVE 』といいました。愛を信じるという意味です。外国との貿易を戦前まで行っていた川崎春が作った組織でした。
 彼女らは動物達の事を調べました。この時代に何を考え、どうやって生きていたのかを。この組織は女性と子供で作られていました。そのことを一冊の本『戦争の狭間に』に書き上げました。彼女らは自分達で生き方を決めました。ほんの一部分を紹介します。「幾度となく燃える大地を動物達は走り抜けました。雑草を食べ、わずかな水をのみ、生き長らえています。動物も人と同じでした。私達に彼等を助ける術はありませんでした。しかし、命の尊さは何にとっても変わりません。彼等を少しづつ助けようとしました。」彼女らが、自分の身を削りはじめたところです。
 私はその本を読みこの本を作りました。その当時、人は本当に二種類いました。あなたも彼女達のように行動を起こして下さい。すべてはそれから始まります。)
 紫炎はおどろいた。自分と同じ考えをする人がいたことに。紫炎ははやる気持ちをおさえて、次のページをめくった。

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Novel Editor