狭くて暗いが、小学生の三人は通れた。 「・・・・・・・・・暗くてわかんねぇけど・・・もしかして・・・この階段全部を下がるのか・・・・・?」 つかっちゃんが、腕時計についていたライトで照らした。すると、長い長い階段がずっと下まで続いていた。 「・・・これ、まるで1回まで下がっていくようだな・・・・」 「これ、たいへんそうですよね・・・・・」 「まぁ、いいじゃん?つかっちゃん、緑、早く行こう」 そして、三人は階段を使い下まで下がっていった。 「なんかこれ・・・、この地下は昔からあって、この暗号館を創立するさいに地下から上へ盛り上げた・・・って感じだな。だから、元からあの台座にあの像たちを置けば開く仕組みだったのかもな」 「その推理はあってるかもよ?」 「えっ、でも、なんのために・・・・?」 「さぁね」
「・・・フゥ――・・・やっとここで階段終わりか・・・・・?」 階段はもうない。そして、右に行けば行き止まりだ。 「左だな・・・・・」 今度はつかっちゃんが先頭にたって歩いた。 低学年みたいに背が低いつかっちゃんと、それよりかは高い連と緑。こうして歩くと姉弟達のようだ。(もしくはつかっちゃんは幼馴染の子供)
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・!」 そこには、灯台のような置物があった。その置物は、提灯のようで、表面から見ると、扉が開いているという感じの、左右に扉が開いた形の石がくっついていた。そして、中に火がともっていた。 「何?これ・・・・」 その置物の周りには、先ほどの台座と同じように、何かを置く様な物があった。そして、異様なほどに多い石。ゴツゴツしている岩がたくさんあった。 「・・・・・・・・・・・・・これじゃない?最後の暗号」 連が、石でとめてあった紙を拾い上げる。
『ひつじの数の石=右の台座 うとたつの数の石=左の台座 これで全て平等になる。 すると、これをするがいい。 鍋蓋で灯りを閉じ込めよ これで火が消えるだろう。そうすれば、隠された財宝が手に入れられるだろう。 愛する君にあげるよ。加賀見家の財宝を愛する君にあげたい。それが僕の最後の願いだから。僕は間違いなく死ぬだろう。でも、君にだけは生きていてほしい。 葉月のときにこれを記す 加賀見浩之』
「・・・・フ――ン・・・、これが“解けなかった謎”か・・・。『羊の数の石』と、『うとたつの数の石』・・・ねぇ・・・・」 「“う”と“たつ”といえば・・・、十二支でしょうか?」 「あ、それかも。・・・・・・・『鍋蓋』・・・?なべぶたねぇ・・・。これのことかな?」 連が、左右に開いた扉のような形の石を動かした。くっついてはいるが、ちゃんと動く。それで中の火を閉じ込めた。 「・・・・・・・・ダメだ、消えない。やっぱ石を置かなきゃだめだね。」 「石かぁ・・・、でも、羊の数の石なんて、どうやって数えるんだ?」 「羊は・・・・眠いときに数えますよね・・・ウ〜〜ン、関係ないかも。うもたつも・・・・・」 「・・・・・・・・・『明日僕は間違いなく死ぬだろう・・・?』・・・これって・・・・・・・・・、!・・・・じゃあ、2つ目の暗号も・・・?」 連が、口元でニヤッと笑った。 「・・・・緑、つかっちゃん、しばらく待っててくれない?」 「え?」 「・・・・・・・ちょっと呼んで来たい人がいる。」
【・・・・ダッ!!】
「オイッ、時野!?」 「連ちゃん!?」 連は、ある場所へむかって走った・・・・―――――。
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