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礼拝堂の奇跡 作者:りみ

第5回   3 メンツ
「ええええ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!???時野はん、貸し別荘のカギ、なくしはったんですか!?なんぎやなあ(意味:困った)・・・・・・」
「・・・あのですね、佐藤さん。元はといえば誰のせいで・・・・・・・・・」

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それは数時間前のこと。
日は風のように去り、謎解き紀行の日が来た。
謎解き紀行といってもスキー旅行のようなものだから、思う存分スキーを楽しめばよかった。
実際問題、企画をした張本人である佐藤が一番はしゃいでいた。
「ヒャッホォ〜〜〜〜〜〜〜!!!きもちええなぁ!!」
佐藤はスキーが上手かった。プロ級だろう。
「あ、あの、佐藤さん?人魂調べるんじゃなかったんですかー?」
「ああ、そんなん後々!!!時野はん、せっかく来たんやし、楽しみましょか〜〜〜!!」

「ねぇ、連ちゃん!雪だるま作りますか?」
「雪だるま?」
「塚田君が、さっきから熱中してて・・・・・・・・」
さっきから、つかっちゃんは雪だるま作りに熱中していた。
「・・・・・・・・・・プッ、幼稚園児みたい。・・・・・じゃあ作ろうか」
「ハイッ♪」


【・・・・・・・・ドンッ!!!】



「アへヤァエヒェヒェ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜・・・・・・」
声にもならない声が後方から聞こえてきた。
「オオオ〜〜〜〜!!!時野はんっ、なんや、すべれるやん!!!上手やね〜♪」
庄治は、自力で滑っているのではなかった。
後ろから佐藤が押したため、庄治は下のほうへドンドン滑って行ったのだ。


【・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ドドドドンッ!!!!】
「・・・あ・・・・あっちゃあ〜〜〜・・・・・・」
庄治は顔面から木にぶつかった。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・プッ」
緑と雪だるまを作りながら、連は少し笑った。
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そして、出版社が経費としてだしてくれた貸し別荘のカギを庄治が持っていることになったのだが・・・・・・・・佐藤が何度もすっ転ばせたため、カギをどこかへ落としてしまったという。
「んも〜!今から探すの無理ですよ〜!今はお昼の3時ですけど、今から雪山戻ってたら夜になりますよ〜?」
「むむむぅ・・・・・・仕方ない!!!強行突破だ!!!」
そう言いスキー棒でドアを勝ち破ろうとした庄治。
「わわわ〜〜〜っ!!あきまへんっ、あきまへん庄治はん!!!どうしてもやるんやったら、ウチが庄治はんをノックアウトさせますよ!?」

こっちの佐藤の言葉の方がよっぽど怖かった。


そのとき。

「・・・・あの・・・・・何かお困りでしょうか?」
後ろから、優しい声がした。
「へっ・・・・?」
庄治たちが振り向くと、40代後半〜50代前半位の女性が立っていた。
「何かお困りですの?」
「ハ、ハイ・・・・別荘のカギをなくして・・・・」
「まぁ、それはたいへんでしょう。・・・どうかしら、あなた?この方達も別荘へお呼びしない?」
そういい女性は車の中を見た。

黄色く小さな車の中には、50代半ば位で威厳がありそうな男性がいた。
「どう?あなた」
「ああ、構わんよ。あいつらも、人数が多い方が喜ぶだろう」
「ええ・・・・・・・・・・」

そう言い女性は再び連達のほうへ来た。
「あの、私、郷田 有美子(ごうだ ゆみこ)と申します。
実は、今日は、主人が特定の生徒だけを呼んで、同窓会をするんです。それで、主人の別荘へ集まることになってるんですよ、鍋パーティーです♪」
「な、鍋・・・・・・!!」
佐藤と庄治が食いついた。
「あ、私、佐藤恵利です。あの・・・・ほな、よろしいんですか?」
「ええ、構いませんよ。ほら、そちらの方々も・・・ね?」
「あ、私は時野庄治です。こっちは、娘の連で、そっちが連の友達です」
「まぁ、かわいらしいのね。・・・・では、あっちです」


そういい、有美子の指示に従い、別荘へ行く事になった。


「あ、先生に郷田夫人さん!!」
「あら、その呼び方はやめてよ♪有美子″で良いわよ♪」
「あ・・・・そちらの方々は?」
「あのね、別荘の鍵をなくしちゃったらしくて・・・だから、この人たちもご一緒、どうかしら?」
「ええ、かまいませんよ。僕は盛岡 圭一(もりおか けいいち)です」

盛岡は、元郷田の教え子らしく、若くて礼儀が正しかった。
「初めまして♪ウチ、佐藤言います♪」
「へ〜、佐藤さんですか!べっぴんさんですね〜」
「あら、あんたはん、おべんちゃら(意味:お世辞)上手いね♪」

「おーい、盛岡。べっぴんさんをナンパしてんじゃねーよ」
「なんだよ、上野―、お前、狙う気か?」
「ヘッ、かもな♪」
そう言って来たのは、見たところ若く、盛岡と仲がよさそうな男だった。
「オレは上野 雄樹(うえの ゆうき)だ。そちらの方々も、よろしくな」
こっちは盛岡と逆で、礼儀があまり無かった。
「ああ、よろしくやす♪こっちは時野はんたちです!」
「では、別荘の中へ入りましょう!まだまだメンツがそろってますし・・・」


そして、連達は別荘へ行った。
・・・・・・・・・・・・・―――事件が連達を呼んだのか・・・この別荘で、事件が起きる事になるなんて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
このメンツが関係するなんて・・・・・・・・・・・・・・・・・・

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Novel Editor by BS CGI Rental
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