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礼拝堂の奇跡 作者:りみ

第4回   2 日程は決まる。犯人の準備も整る。
光山小学校。
この小学校の屋上で、三人の人物が昼食を取っている。
一人は連。そしてもう二人は――青山 緑(あおやま みどり)と塚田 真(つかた まこと)。
連の幼稚園のときからの幼馴染であり親友でもある。
そして、真は連にだけ“つかっちゃん”と呼ばれている。そんなつかっちゃんは少し連の事を意識している・・・・・・・・・・・・・?

「・・・・・寒い」
「寒いですね・・・・本当」
「寒いのに何で屋上で食ってんだ?俺ら」
「さあ・・・・・・ここのが落ち着くからじゃない?下に毛布ひけばあったかいし」
「そうですね、連ちゃん♪」
緑は、親友にでも敬語を使う、優等生タイプなのだ。
「・・・・・・・・・・・・・あ、佐藤さんだ」

連が屋上から下を見ると、昨日事務所に来ていた佐藤が歩いていた。

「こりゃーまた今日もうちに来るね・・・・・・」
「佐藤さんって誰ですか?」
「ん?出版社の人。冬休みに謎解き紀行に行くんだって」
「「“謎解き紀行”?」」
「なんか、新企画で探偵が怪事件を解くんだって。お父さんより推理力のある探偵に頼めばいいのに・・・」
「それ、行きたいな〜」
「はぁ〜?」
つかっちゃんが言い出した。
「なんとなく行って見たいな〜と思ってさ!冬休みだろ?予定ないし!宿題は終業式の日のうちに終わらせればいいし。・・・・それに・・・・・」
「「???」」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いや、なんでもない!!」
「・・・・・・どーかな。佐藤さんが良いって言えばあたしは別にいいけど。いいんだったら緑も行く?」
「エッ!?いっていいんですか!?」
「・・・・行っちゃだめな理由なんてないよ。だって友達じゃん」
「ハッ、ハイ〜〜〜〜(感激)」
「うん、じゃー佐藤さんに頼んでみるね」

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「連ちゃんの友達?」

案の定佐藤は事務所に来ていた。
「ああ、別にええよ♪多い方が楽しいやん♪」
「うん、じゃーいっとくね」
「ほんでね、時野さん!日程は、2月18日に決まりました!!連ちゃんそれでええ?」
「冬休みっていつからだっけ?」
「さー、オレに聞かれてもな・・・・・、あ、書いてあるじゃねえか。冬休みは2月14日からだぞ」
「じゃーいいね」
連の通う学校は、夏休みや冬休み、春休みが始まるのが異常に早い。その代わり終わるのも早いが。

「んでね、行くのは“羽田名雪山”です。知ってますか?」
「羽田名雪山・・・・・・・・ああ、知ってますよ。あの礼拝堂があるところでしょ」
「エエッ、その通り〜〜〜!!おっきい礼拝堂があるやろ〜?その近くで人魂が出るらしいんよ!その礼拝堂はだ〜れも使っとらんらしいんやけど!やけど人魂が出るんよ?さかいに(意味:だから)、そこ行って秘密調べましょう!!」
「ハイ、いいですよ。ですが・・・探偵が行く必要はあるのですか?」
“探偵”の部分を強調して庄治が言う。こんなにも探偵扱いされたのは初めてだからだ。
「ありますよぉ!!探偵が紀行文かいてくれなあかんて!!ねっ?」
佐藤がウィンクする。
「楽しみですな〜〜〜〜♪ほな!!!」
そういって佐藤は帰っていった。



「・・・・日程知らせるだけなら電話でも良かったんじゃないの?」
と言う連の疑問に庄治はあっさり答えた。
「この事務所のお茶がおいしいんだとさ」

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“カオル”は準備をしていた。
「フフフフフッ・・・・・・・・・フフフフハハハハ・・・・・!!
自分は鬼。自分は復讐の鬼。自分はアイツらを殺すのだ。
自分は鬼。自分は殺す。自分は4人の人間を殺す必要があるのだ。
そう。
4人の人間の息の根を止める必要があるのだ・・・・・・・・・・・・」



カオル。
この連続殺人の犯人の名だ。


そして・・・・・・・・・・・・・“カオル”とは本名。
実は、容疑者の中には・・・一人だけ偽名を使っている人物がいたのだ。







そしてカオルは準備をする。




“復讐”の・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

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Novel Editor by BS CGI Rental
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