光山小学校。 この小学校の屋上で、三人の人物が昼食を取っている。 一人は連。そしてもう二人は――青山 緑(あおやま みどり)と塚田 真(つかた まこと)。 連の幼稚園のときからの幼馴染であり親友でもある。 そして、真は連にだけ“つかっちゃん”と呼ばれている。そんなつかっちゃんは少し連の事を意識している・・・・・・・・・・・・・?
「・・・・・寒い」 「寒いですね・・・・本当」 「寒いのに何で屋上で食ってんだ?俺ら」 「さあ・・・・・・ここのが落ち着くからじゃない?下に毛布ひけばあったかいし」 「そうですね、連ちゃん♪」 緑は、親友にでも敬語を使う、優等生タイプなのだ。 「・・・・・・・・・・・・・あ、佐藤さんだ」
連が屋上から下を見ると、昨日事務所に来ていた佐藤が歩いていた。
「こりゃーまた今日もうちに来るね・・・・・・」 「佐藤さんって誰ですか?」 「ん?出版社の人。冬休みに謎解き紀行に行くんだって」 「「“謎解き紀行”?」」 「なんか、新企画で探偵が怪事件を解くんだって。お父さんより推理力のある探偵に頼めばいいのに・・・」 「それ、行きたいな〜」 「はぁ〜?」 つかっちゃんが言い出した。 「なんとなく行って見たいな〜と思ってさ!冬休みだろ?予定ないし!宿題は終業式の日のうちに終わらせればいいし。・・・・それに・・・・・」 「「???」」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いや、なんでもない!!」 「・・・・・・どーかな。佐藤さんが良いって言えばあたしは別にいいけど。いいんだったら緑も行く?」 「エッ!?いっていいんですか!?」 「・・・・行っちゃだめな理由なんてないよ。だって友達じゃん」 「ハッ、ハイ〜〜〜〜(感激)」 「うん、じゃー佐藤さんに頼んでみるね」
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「連ちゃんの友達?」
案の定佐藤は事務所に来ていた。 「ああ、別にええよ♪多い方が楽しいやん♪」 「うん、じゃーいっとくね」 「ほんでね、時野さん!日程は、2月18日に決まりました!!連ちゃんそれでええ?」 「冬休みっていつからだっけ?」 「さー、オレに聞かれてもな・・・・・、あ、書いてあるじゃねえか。冬休みは2月14日からだぞ」 「じゃーいいね」 連の通う学校は、夏休みや冬休み、春休みが始まるのが異常に早い。その代わり終わるのも早いが。
「んでね、行くのは“羽田名雪山”です。知ってますか?」 「羽田名雪山・・・・・・・・ああ、知ってますよ。あの礼拝堂があるところでしょ」 「エエッ、その通り〜〜〜!!おっきい礼拝堂があるやろ〜?その近くで人魂が出るらしいんよ!その礼拝堂はだ〜れも使っとらんらしいんやけど!やけど人魂が出るんよ?さかいに(意味:だから)、そこ行って秘密調べましょう!!」 「ハイ、いいですよ。ですが・・・探偵が行く必要はあるのですか?」 “探偵”の部分を強調して庄治が言う。こんなにも探偵扱いされたのは初めてだからだ。 「ありますよぉ!!探偵が紀行文かいてくれなあかんて!!ねっ?」 佐藤がウィンクする。 「楽しみですな〜〜〜〜♪ほな!!!」 そういって佐藤は帰っていった。
「・・・・日程知らせるだけなら電話でも良かったんじゃないの?」 と言う連の疑問に庄治はあっさり答えた。 「この事務所のお茶がおいしいんだとさ」
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“カオル”は準備をしていた。 「フフフフフッ・・・・・・・・・フフフフハハハハ・・・・・!! 自分は鬼。自分は復讐の鬼。自分はアイツらを殺すのだ。 自分は鬼。自分は殺す。自分は4人の人間を殺す必要があるのだ。 そう。 4人の人間の息の根を止める必要があるのだ・・・・・・・・・・・・」
カオル。 この連続殺人の犯人の名だ。
そして・・・・・・・・・・・・・“カオル”とは本名。 実は、容疑者の中には・・・一人だけ偽名を使っている人物がいたのだ。
そしてカオルは準備をする。
“復讐”の・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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