「うっわぁ・・・三人目かぁ・・・・・・・・上野さんやん・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・・・これ、不自然だよ」 「えっ??」 「だって血はこっちのが多いのに、倒れてる場所は反対だし。・・・それに、血がいろんなトコに付いてるから、この人動き回ったんじゃないの?」 「えっ・・・?・・・ア〜〜!言われて見れば!」 上野の遺体は、血が飛び散ったと思われる場所とは別の場所にあった。きっと、死ぬ寸前に動き回ったのだろう。 「なんのために・・・?悪あがきかなぁ?」 「違うんじゃない?・・・・・・これじゃないの?左手のペンがほしかったからとか」 「左?何で右でとらんかったんやろ?・・・・・・・・ていうかなんでペンなんやろね?」 「さぁ・・・・・・・」
「うわああああっっっ!!!!」 そう絶叫するのは、上野の親友だった盛岡。 「う、上野!?上野!!!!どうして・・・・・・・・・」 「あ、盛岡はん。あ・・・・今度は、あなたの親友ですわぁ・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・だ・・・・」 「え?」 「?」 「・・・・・・・前田勉の呪いだああああ!!!!!!」 そう絶叫して盛岡は自分の部屋に行ってしまった。
「・・・・・・・盛岡はん・・・?・・・・“前田勉”って、桜木はんがいっとった人やよね??・・・なんで呪い・・・・・・なん?」 「桜木さんも同じ事言ってたけど」 「ん〜〜〜・・・・けど、あの怯え方尋常じゃないやん。それに・・・なんで“前田勉”君が関連しとる思うんやろ?」 「・・・・・・・・・・なんかあるのかもね」
***************************** 「・・・・・・・・・・・・・・・あれ?」 「?どしたん?連ちゃん」 「・・・・・・部屋が二つ光ってるんだけど」 「光っとる?」 「とゆーより・・・・明かりがついてる。郷田さんの部屋と星崎さんの部屋が」 「わっ、ほんまやん!!!」 見ると、郷田と星崎の部屋の明かりがついていた。 「・・・・・・・・・開けてみる?」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 【ガチャッ・・】 「わーっ、あけてもーた!度胸あるなー!」 「別に。死体見るの初めてじゃないし」 「うっわぁ〜〜〜〜・・・」
郷田の部屋からは特に異常なものは発見されなかったし、何も変わりなかった。
変化があったのは、星崎の部屋だった。 星崎の部屋は、星崎が殺害される前には、荷物が右に寄せられていて、チャックもしまっていた。 が、今は、荷物のチャックが開いていた。 「???犯人が星崎さんの荷物からなんかとったんかな?」 「・・・“何か”が欲しくて殺したとか」 「あ〜〜ありゆるやんっ!!・・・・なにがなくなっとるん?」 「・・・・ポット」 「ポット??」 「お茶飲むとか言って持ってきてたじゃん、ポット。あれがない。前見た時はあったのに」 「あっ、ほんまや〜!にしてもなんで?お茶飲みたかったから殺した?んなアホな理由があるかい・・・・」 「・・・・・・・・“欲しかった”じゃなくて“必要”とか?・・・・・犯人は必要なものは自分で持ってくるよね・・・・・・・・・・・・・・・・」 「んぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜????」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
***************************** “カオル”は、今まさに最後の犯行を実行する所だ。 ――最後ダ、コレデ最後ナノダ。 許スマジキ犯人ヲ許サナイ。ダカラココデ抹殺スルノミナノダ。 モウ二度ト殺人ハオキナイ。コレデ十分ナノダ・・・・・・・・・・・・・・・
モウ二度ト、復讐ノ鬼ハ現レナイ・・・・・・・・・・・・
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――冗談じゃない、冗談じゃない冗談じゃない冗談じゃない。 俺が何をしたと言うのだ。そうだ、なぜこんなにも怯える必要があるんだ? アレは、俺は何も悪くない。あの二人が悪いんじゃないか。そうだ、そうだそうだそうだ。 何も悪くないぞ、何も・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
―――――――!!!!!!!!!!!!!!
そこに犯人が立っていた。 それも、笑顔で。 満面の笑みで・・・・・・・・・・・・・・・・
「フフフフフ・・・・・・・・・・ウハハハハハハハハハハハハ・・・・・ハハハハハ・・・・」 狂った人形の様に笑い迫る犯人。 ――来るな、来るな、来るな・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【・・・・・・・・シュ―――――ッ!!!】 !!!!!! 犯人は盛岡の顔にスプレーをかけた。 ――意識が薄らいでくる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【・・・・・・・・チクッ!!!!】
――・・・グ・・・・? 犯人は盛岡の腕に注射した。 ――・・・なんだこれは・・・・・・・・・・
そう感じた瞬間にはもう遅すぎて、突然身の毛もよだつ苦しみに襲われた。
刹那、盛岡は全てを察した。 “この人物”が犯人で・・・・・・・・・・
だが、わからない。 ――なぜ“この人物”が俺を殺すのだ?理由などないはずだ・・・・・・・・
そう苦しむ盛岡に、カオルはささやいた。
殺すわけ、自分の正体を・・・・・・・・
「―――――――――!!!!!!!!!!!」 盛岡の顔が後悔と苦しみの表情に変わった。
「・・・・・・・・・・自分が悪いんだぞ?」 そう呟いたカオルの声は、もうすでに盛岡には届いていなかった・・・・・・・
カオルは、満面の笑み。
――――第四の殺人、完了―――
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