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礼拝堂の奇跡 作者:りみ

第13回   11 第三の殺人発生

――外はもう暗いな。
にしても、あいつらはいつ帰るのだろうか?
話によれば、雪山のなだれにより下山は遅れるそうじゃないか。
まったく、なんでこんな所にきてしまったんだろうな。
だが、俺は思った。
殺される前に相手を殺せばいいのだ。
そうだ、先生やあの人が甘かっただけなのだ。
俺は違うぞ、絶対に違う。

【・・・・・・コン、コン】

?誰だ?
“犯人“かも知れないな。用心して、ナイフでも背中に隠しておくか。

【キィッ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・】


――――――――!!!!!!!

【ゴトッ!!】
俺は思わず武器を落としてしまった。なぜか?だって、その人物は・・・・・・――――



【・・・・・・・・・・・・・・グサッ!!!!】

・・・・・・・・・・・・ぐっ・・・・・・・・
“第三の被害者”は俺なのか。それにしてもなぜ・・・・?
考える間もなく、ナイフの先は俺の中へどんどん進入してくる。
「グアァァッ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

死ぬ瞬間というのは痛みも感じないのだろうか。いや、激痛を通り越しているのだろうか。
俺のわき腹から出てくる赤い噴水。その赤い噴水はとめどなくあふれ出る。

・・・・・・・・・・・・・・・“死”を痛感した。
だが、なぜあんたが?あんたがなぜ?あんたが俺を殺す理由が見当たらない。
そんな俺の様子に気がついたのか、そいつは俺の耳元で何かをささやいた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!!!
「わかってるはずでしょ?」
それが、俺が聞く犯人の最後の言葉。
まさかアンタが・・・・・アンタが・・・・・・・・・・・・!!!

・・・グッ。
“カオル”はもう去って行った。当然だな。見られたらアンタは終わりだからな。
・・・・・・・・・オレももう終わりだな。
貧血を通り越したものを感じる。赤い噴水が水溜りを作り俺はもう起き上がれない。
・・・・・・・・・・クソッ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
何か書くものはないか。血であいつの名を書けないか。ああ、指が動かねえ。

・・・・・・・・・・・・・・・・コレを・・・・・・つ・・・か・・・・む・・・・・・・・・・・か・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


                  ――――第三の殺人、完了――――

****************************

「・・・・・・・・・・・なぁ、連ちゃん」
「ん?」
「どう思う?」
「・・・・・・・・・・・さぁ」
「ファデーションなんか落ちとったんも気になるわぁ。なんで青色のファンデーションなんやろ?」
「・・・・・・・・・・・・力を入れて引っ張ったときに落ちた・・・?・・・化粧品ってそんな簡単に落ちる?」
「・・・・・・・ん〜〜〜・・・・ずーっと下向いとったらたま〜に落ちるよ」
「フーン・・・・・・・・・・・・・・・」


【トポトポトポトポ・・・・・・・・・・・・・・・・】

「!!!これっ・・・・・・・・・・・・・血やん?!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・こっちだね」
赤い血は、上野の部屋の下から流れ出ていた。
「この量、半端やないやん!!ちょっ、上野さん!?上野さん!!!」


【ガチャッ・・・・・・・・・・・・・】

鍵はかかっておらず、すんなりと扉は開いた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ハー・・・・・・・・・・・・・・・・・」



血がドロドロと垂れ、うつ伏せに倒れ、左手にペンを持っている―――上野の遺体が発見された。

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Novel Editor by BS CGI Rental
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