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黒い瞳の天使 作者:りみ

第9回   7 大ヒント
12月中旬。
連達の学校は今日が終業式だ。
終業式を終えて、商店街“ひまわり通り”を歩いていた三人――連、緑、そして塚田 真(つかた まこと)。
まことは通称(連だけだが)“つかっちゃん”と呼ばれている。(幼馴染だからだが)
そしてつかっちゃんは、少し連の事を意識し始めたようだ。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・さぶっ」
「本当、寒いですね〜〜〜・・・・・」
「けど、今年の冬は暖冬らしいぞ」
「ダントウって何?」
「時野、疎いな・・・・・。暖冬っていうのは、暖かい冬って意味だよ」
「あったかくないじゃん、現に」
「いや、今までと比べて暖かいって意味だよ。今年は雪降らないらしいぞ?」
「フーン」
「雪、降らないんですか?それはちょっとショックですね・・・・」
「なんで?緑」
「12月24日に雪が降ったら、ロマンチックじゃないですか?」
「寒いし・・・」
「でもさー、12月24日は時野の誕生日だろ?」
「そうだっけ?」
「自分のを忘れるなよ・・・・・」



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時野探偵事務所(兼家)。
連が帰ると、院長の大岩がいた。
「?」
「キャッ、キャッ、キャキャッ」
「ただいま、藍ちゃん」
大岩は、何か言いたいことがあってこの事務所に来たようだ。
「・・・日延君と、麻紀さんの様態が悪いそうで・・・・」
「ええ・・・・・・殴られた場所が悪かったんでしょうね・・・・・。・・・・・・日延君が怨まれる動機・・・・他にもあったんです」
「え?」
「日延君は、とても良い医師で、人望も厚くて優秀なのですが・・・、何よりも、仕事よりも、自分よりも家族を大事にする医師で・・・、家族のために手術をキャンセルしたこともあります」
「手術をキャンセル?」
「ええ。彼は優秀な外科医で難しい手術も成功させてはいるのですが・・・、結婚記念日や、藍ちゃんの誕生日には、早めに帰ってしまって・・・。・・・・藍ちゃんの誕生日に行われた患者の手術は、人手不足で苦労して・・・それで死んだんです・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「藍ちゃんの誕生日っていつ?」
「え?・・・・・確か・・・・・9月の・・・・・2日だね。」


(・・・・9月2日?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・フーン・・・・・)


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夜。
「・・・・・あのさぁ、お父さん」
「ん?」
「・・・・・・・・・・・・・犯人が次に殺したいのは、多分藍ちゃんだよ」
「え?」
「だってそうじゃん?あの二人が発見されたのはこっから離れてんだよ?犯人がここにおいたとは思えないから、藍ちゃんが殺されると思ってあの辺においたんじゃないの?」
「まぁなぁ・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・今日のあの人の言葉で、大体誰だかわかった」
「!?えっ、誰だ!?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まだ確信は無いけど。だから・・・・犯人に、藍ちゃんを襲わせてみない?そこ押さえれば確実じゃん」
「なるほどなぁ・・・・・・」
「・・・・・・・・・だからさ・・・・・・―――」



連が“ある提案”をし、それは翌日実行される事になった。

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Novel Editor by BS CGI Rental
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