「ハァッ、ハァッ、ハァッ、ハァ・・・・・・!!!」 雪が少しだけ積もった冬の深夜。 月明かりが照らす中で、三人の人間が走っている。 一人は石を持って二人を追いかけて。二人の男女は必死に逃げて、その内の一人はベビーカーをひいていた。 「ハァッ・・・・!!・・・・・・・・この子・・・を・・・どこかに隠したほうが・・・・!このままだとこの子も・・・!」 「・・・・・ああ・・・・・・!そうだな・・・・!!!」 二人は、自分達の子供をどこかに隠すことに決めた。 生きて欲しいと言う願いと、殺されてなる物かと言う意地・・・・・・。
「!」 二人の目に入ったのは『時野探偵事務所』と言う看板のビル。 「・・・・探偵・・・・?」 「・・・・・・ここの・・・裏に・・・・!」 藁にもすがる思いで、時野事務所の隣の路地裏にベビーカーを置いた。 そして二人は走り出す。“犯人”をおびきだすかのように。
「ハァ、ハァ、ハァ・・・・・・・!」 「・・・・・待て―――!!!」
【ドガッ・・・・・・・・・・・・・・・・!!】
「ぐっ・・・・・!」 女の方が石で殴られ、倒れこんだ。 「麻紀(まき)!!ハッ・・・!」 「ハァ・・・!ハァ・・・・!・・・あのガキはどこだ・・・・!」 「・・・・・・・・・・・・・・死んでも言わない。あの子だけは殺させない!!俺らに何の恨みがある!!」 「・・・そうか・・・・なら、殺してから探すさ・・・!死ね!!!」 「!!!!」
【ドガッ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!・・・トサッ・・・・!】
男も頭を石で殴られ倒れた。
「ハァ・・・・ハァ・・・・ハァ・・・・・!!!」 狂った犯人は赤ん坊を捜した。 だが、見つからなかった。
両親の思いが通じたのだろうか・・・・・・・・―――――
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