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黒い瞳の天使 作者:りみ

第10回   8 犯人と標的と探偵の勝負
街はクリスマス一色になっていた。
クリスマスイヴまで後一週間を切った頃だった。


《今年は、地球温暖化により、ホワイトクリスマスは期待できそうにないですね。今年の気温は――――》



テレビでもそんなニュースが流れた。


「藍ちゃんが雪降らさないかなー」
「ダー?」
「藍ちゃんの肌そのものが雪みたいだしさ・・・」
黒く澄んだ瞳をした、赤ちゃんだけど赤ちゃんっぽくない藍ちゃん。
そんな藍ちゃんは天使のようだった。


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総合大病院。
病院に、藍ちゃんを預ける事になった。
時野家の“帰省”という理由で、藍ちゃんを連れて行けず病院に預けるというのだ。
「ハイ、わかりました。・・・・しかし・・・・上手くいくのでしょうか?」
大岩は、藍ちゃんを、いまだ意識不明の藍ちゃんの親の隣に置くようにした。

“上手くいくのでしょうか”――この言葉には、“ある意味”が隠されていた。

「・・・大丈夫だよ。多分ね」
「では、これで。・・・・しかし・・・・・本当に上手くいくのか?連。」
「さーね。来なかったら来なかったで別にいいし。来たら来たで・・・それもいいし」
「まぁな・・・だが、藍ちゃん大丈夫か?」
「親と一緒にいれればそれでいいだろうし・・・。それよりも、“電話”したの?」
「ああ、まぁな」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・来るでしょ、多分」




*****************************
深夜。
“犯人”はある場所にいた。

(フン・・・・間抜けな野郎共め。俺が最後の“標的”を狙っているとも知らずに・・・・。・・・・・・・・・・電話なんかかけてきやがって。まぁ、電話をしたのは、俺にだけではないだろう。しかし、あの電話には何の意味があったんだ?)

そう考えながらも、一歩一歩、着実と“標的”のいる場所へむかった。



【ガラリ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・】


扉が開く。
“標的”はそこにいた。

(・・・・・ついでにこの女も殺すか・・・?・・・・まぁ、いいだろう、この女は。・・・というか、元々この女とあの男を殺すつもりはなかったがな・・・・・だからこそ、急所を外しておいたんだ。ここまで意識不明になるとは思わなかったがな。だが、いずれ目覚めるだろう。・・・それが狙いだ・・・・・“大切な物”を失う苦しみを・・・・・・・味あわせてやる!!!)
そう思い、“犯人”は、手に持ったナイフを、“標的”――藍ちゃんの首元目掛けて振り下ろした―――――。








【・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・パシッ!!!】



(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!?)
犯人はひどく驚く。
当然だろう。真っ暗で見えない中、誰かが自分の腕をつかんだのだから。




「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・藍ちゃんに何するの?」




子供の声だ。

【・・・・ガラッ!!】
(!?)
扉が開き、いろんな人物が入ってくる。
「・・・・!?お前、どうして・・・!?」
「えっ・・・・・・・・・・・・・なんで・・・・じゃあ・・・・・」
入ってきた人物達が次々と驚く。

「・・・・やーっぱあんただったんだ・・・・・」
少女――連が、“犯人”を、見るもの全てをゾッとさせるような眼で睨みながら言う。
「・・・・・・・・藍ちゃんを殺すつもりだったんだ・・・?・・・・そうじゃなかったら、藍ちゃんに何するつもりだったの?・・・・・・・・藍ちゃんに何するの・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?」




“勝負”は連――“探偵”が、勝った―――。

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Novel Editor by BS CGI Rental
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